澤田社長「GAFAへの対抗意識は大いにある」NTTとトヨタがスマートシティで提携

NTTとトヨタが資本業務提携を結んだ。スマートシティ事業を中核に、長期的に協業していく。まずは静岡県裾野市にあるトヨタ工場跡地に作るスマートシティで実証を進める。両社が手を結んだ背景にはGAFAへの対抗意識もあるという。

NTTとトヨタ自動車は2020324日、業務資本提携に合意したと発表した。業務提携に留まらず、スマートシティビジネス事業における協業関係を中核にして、互いに2000億円規模を出資したうえで長期的に協力していく。

(左から)トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏、NTT 代表取締役社長 澤田純氏
NTTとトヨタは両社とも、独自にスマートシティ事業に取り組んできた。NTT 代表取締役社長の澤田純氏は「スマートシティはNTTからすると、都市インフラから医療や、モビリティまで8つの領域がある」としたうえで、それぞれの領域で様々なパートナーと取り組みを進めていると現状を説明した。

NTTのスマートシティ領域。あらゆる分野に取り組んでいる
一方のトヨタは、2020年1月7日に開催された「CES 2020」にて、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表。2020年末に閉鎖を予定しているトヨタ系列の東富士工場(静岡県裾野市)跡地を利用して、実証を進めると表明した。同社はこの街を「Woven City(ウーブンシティ)」と名付けている。

Woven City(ウーブンシティ)のイメージ

NTTもこのウーブンシティの取り組みに参画し、ICT面を中心に協力していく。また、同社が取り組む次世代通信技術「Beyond 5G」や「IOWN」などについても「ウーブンシティで実験したいという思いはある」と澤田氏は語った。

澤田氏は「トヨタはモビリティで世界No.1の会社だと思っている」と強調。そのうえで「スマートシティの社会基盤を一緒に作り上げていく。これを東富士から世界へ広げたい。長期的な取り組みになるということで2000億円の出資をした」と述べた。

トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏は、「CASE革命が起こる中で、自動車を街全体、社会全体の枠組みで考える必要が出てきている。例えば、車が有事の際は非常電源になり、センサーで収集したデータからハザードマップの情報を発信するなど、社会システムの一部になり果たす役割が変わっていく」とトヨタがスマートシティに取り組む理由を語った。

クルマはスマートシティの重要なパーツになっていく

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