5G×SD-WANで企業ネットワークを強靭化、NTTPCが有用性を実証

NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は2020年1月23日、5Gネットワークを利用したSD-WANの実証実験を行い、IoTやデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けた有用性を確認したと発表した。SaaSやリモートデスクトップ、ビデオ会議等の複数の利用シーンを検証。5GとSD-WANを組み合わせることで相乗効果を確認できたという。

NTTPCは2017年から、NTTグループが独自開発した技術をベースとしたSD-WANサービス「Master’sONE CloudWAN」を提供している。サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 部長の上田信昭氏によれば、現在のユーザー数は50社程度。中堅中小規模の企業を中心に、特に2019年度に導入が加速した。


Master’sONE CloudWANの特徴

一方、企業でのLTEサービスの利用も増えており、固定回線のバックアップとしてLTE回線を用いてWAN回線を二重化する、在宅勤務/リモートワーク時に社内ネットワークやSaaSへアクセスする、あるいはIoTデバイスを接続するといった用途で使われているという。

間もなく商用サービスが開始される5Gについても、企業は同様の使い方を想定しているようだ。第二サービスクリエーション部の進藤宙氏は、「こうした用途に5Gを使ってみたいという声も出てきている」と話した。


NTTPC サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部 部長の上田信昭氏(左)と進藤宙氏

こうしたニーズを背景にNTTPCは今回、NTTドコモが提供する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参画し、5GネットワークとSD-WAN技術の組み合わせによる相乗効果を確認することを目的とした実証実験を行った。


実証実験のイメージ

上の図表は実証実験環境のイメージ図だ。東京・四谷と石川県・金沢の2カ所のラボ環境で、ドコモが提供する5G対応の検証用ルーター/スマートフォンを使用。ラボ環境とNTTPCのバックボーンネットワークをSD-WANで接続した。SD-WANの設定等はインターネット経由で行い、アプリケーション利用時の実際の通信は「5G検証網」と閉域ネットワークのみを通る構成とした。

検証項目は次の3つだ。


検証項目と結果

1つは、5Gネットワークを介したSD-WAN通信トンネルの確立。Datagram Transport Layer Security (DTLS) による暗号化通信が可能なことを確認した。

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