Zoomで地球の裏側とテレワーク――NECネッツエスアイが提案する「会議録画」の新・活用法

民間企業や官公庁など約1500団体が取り組む「テレワーク・デイズ」が2018年7月23日から始まった。同日から27日にかけて参加企業・団体が様々な取り組みを行う予定だが、その1社であるNECネッツエスアイはWeb会議ツール「Zoom」の新たな使い方を試行。録画機能をうまく使って“時差を利用する”働き方にトライした。

NECネッツエスアイは2017年7月からテレワーク勤務を全社導入している。利用回数の制限なく、約5000名のすべての社員が自宅やグループ会社のオフィス、全国80カ所の契約サテライトオフィス等で仕事を行うことが可能だ。

同社では、今回のテレワーク・デイズ期間中(2018年7月23日~27日)に全社累計で約2000人がテレワークを実施する予定だ。2日めの7月24日には、本社地区勤務の営業統括本部、スタッフ部門の社員(約1000名)の8割が自宅やサテライトオフィス等でテレワークを行う。

このようなテレワークを行うための環境は、シンクライアントやビジネスチャットをはじめとする各種のICTソリューションの組み合わせによって構築されている。そのなかでも、様々な場所に分散して働く社員を結びつけ、円滑なコミュニケーションを行うのに役立っているのが米Zoom Video Communicationsが提供する「Zoom」だ。


NECネッツエスアイ社内でのZoom利用の様子。
他の拠点やフロア、在宅勤務中の社員と気軽にコミュニケーションが行える

ZoomはいわゆるWeb会議ツールとして知られているが、NECネッツエスアイではこれを日常的なコミュニケーションにも活用している。例えば、オフィス内の各所に設置したモニターに外出中の社員や在宅勤務中の社員をいつでも呼び出して相談や簡単な打ち合わせを行ったりできる(上写真)。あるいは、異なる拠点/フロア同士を常時接続することによって、オフィスの中と外をシームレスにつなげ、コミュニケーションを取りやすい環境を作っている。離れていても相手の状況がひと目で分かり、必要なときに呼んで話ができるため、同じオフィスで働いているかのように仕事を進めることができるのだ。

このようにNECネッツエスアイでは日常的にZoomを利用しているが、今回のテレワーク・デイズ参加に当たって新たな活用法にも取り組んでいる。フォーカスしたのは「録画」機能だ。


社内のオープンスペースにも多数のモニターが設置されており、必要な時にはすぐに
ビデオコミュニケーションが行える環境が整っている

テレワークが増えると“Web会議さえ難しい”
Zoomに限らずビデオ会議システム/サービスには一般的に、会議の内容を録画する機能が備わっている。会議に参加できなかった社員が後でその内容を確認したり、社長のメッセージを録画して社員向けに配信したりといった用途で使われている。

ただし、ビデオ会議はそもそも同じ時間を共有してリアルタイムに会議を行うことを前提としており、録画機能はそれができない人をフォローするための、いわば“おまけ的“な機能だ。しかも、録画したデータの管理・配信には手間がかかるため、ビデオ会議を導入している企業でも録画を頻繁に利用しているケースは少ないだろう。

NECネッツエスアイはこの録画機能を、テレワークで生じる課題を解決するために積極的に活用しようとしている。

営業統括本部 マーケティング本部 本部長の吉田和友氏は、テレワークの課題について次のように話す。「テレワークが進めば進むほど時間を合わせることは難しくなり、“待ち時間”が増えて業務が滞る。重要な決裁ほど、忙しい役員の都合に合わせるために進捗が遅れるという状況が起こる」。Web会議を使えば場所や距離の問題は解消できるが、時間だけは合わせなければならない。働き方が柔軟になればなるほど、Web会議を行うことさえどんどん難しくなっていく。

別の課題もある。海外の拠点や出張中の社員とミーティングを行う場合「どちらかが犠牲になる」(吉田氏)ことだ。日本のオンタイムに合わせれば、例えば米国の社員は夜中に自宅から会議に参加しなければならない。グローバル企業では当たり前の光景かもしれないが、頻繁に行うのは無理がある。

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