IDC Japanは2010年9月2日、国内プライベートクラウド市場予測を発表した。プライベートクラウドとは、個別の企業または企業グループのみが利用可能なクラウドコンピューティングのこと。不特定多数の企業が標準化されたサービスを利用する形態は、パブリッククラウドという。
IDC Japanによると、2009年の国内プライベートクラウド市場の市場規模は984億円だった。国内のクラウド市場は、パブリッククラウドが先行する形で2008年に立ち上がったが、「セキュリティが心配」「カスタマイズがしにくい」「レスポンスが悪い」などの不安がパブリッククラウドにはつきまとったため、プライベートクラウド市場が立ち上がり、今ではパブリッククラウドより大きな市場を形成しているという。IDC Japanの調査では、2009年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は312億円となっている。
2010年の国内プライベートクラウド市場は、前年比26.0％増の1240億円となる見込みだ。さらに2014年の市場規模は3759億円に拡大するという。2009年～2014年の5年間の年間平均成長率は30.7％。
また、2010年7月に行ったユーザー調査によると、今後は500万円未満の小規模案件が増加することが判明したという。そこで同社ITサービスグループ シニアマーケットアナリストの唐澤正道氏は「ベンダーは、潜在需要の大きい予算規模500万円未満の小規模ユーザーを積極的に取り込むべきである。そのためには、小規模プライベートクラウドシステムに対する効率的な構築方法を用意すべきである」と分析している。
| 国内プライベートクラウド市場 市場規模予測：2009年～2014年（出典：IDC Japan） |
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