EnOceanなどIoT無線でビル制御に挑む内田洋行

EnOceanや920MHz帯マルチホップ無線を活用した分散型ビルオートメーションシステムの導入が日本でも広がり始めた。突破口となったのが、海外で主流となっているオープン規格の活用だ。

IoTを活用してビルの空調や照明などを統合的に管理し、省エネや業務の効率化を実現するビルオートメーション(BA)。海外で普及が進んでいるこのソリューションの導入が、日本でも広がる兆しを見せている。

「ノウハウの習得に時間がかかったが、ここ1~2年で大手を含む企業に本格的に導入していただけるケースが多くなっている。特にここ半年ほどは相談件数が急に増えてきた」

こう語るのは、内田洋行でBAビジネスを担当するスマートビル事業推進部部長の山本哲之氏だ。

内田洋行 営業本部営業統括グループ スマートビル事業推進部 部長 山本哲之氏
内田洋行 営業本部営業統括グループ スマートビル事業推進部 部長 山本哲之氏

案件が増えてきた要因として山本氏がまず挙げるのが、1980年代後半から90年代初頭のバブル期に建設された多くのオフィスビルが改修期を迎えていることだ。オフィス家具や事務機を広く納入している内田洋行には、ビルの改修などの相談が早い時期に寄せられる。内田洋行ではビジネスの最大の柱である情報システム・SI事業の強みを活かし、改修を機にIT活用による効率的なオフィス空間の整備を提案している。BAはその有力メニューの1つなのだ。

内田洋行は、2010年からIoT無線を活用したBEMSの展開を行ってきたが、企業の省エネの取り組みが一巡したことから、2013年に照明・空調を統合的に制御し快適な業務空間を実現する「スマートビル」の展開に軸足を移した。この年、実施した大和ハウス工業相模物流センターでの統合設備管理システムの実証試験では、温・湿度の最適化による結露の防止などを実現。現在は実用システムとして稼働している。その後もオフィス、工場などへの導入実績を積み重ねてきたが今、このビジネスに追い風が吹いているのだ。

「“働き方改革”の流れの中で、執務環境の整備による業務効率化への関心が高まってきたことも案件が増えてきた要因になっているのではないか」と山本氏は見る。

月刊テレコミュニケーション2017年3月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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