日本アバイアは2010年7月30日、ネットワーク仮想化、有線・無線LANインフラの統合に対応したハイエンド向けスイッチの新製品「Avaya Ethernet Routing Switch 8800(ERS 8800)」シリーズを発売した。
「Avaya Ethernet Routing Switch 8800(ERS 8800)」シリーズ |
ERS 8800シリーズは、旧ノーテルネットワークスのERS 8000ファミリの新製品だ。アバイアは、ノーテルのエンタープライズ事業部門の統合後、「ユニファイドコミュニケーション」「コンタクトセンター」「サービス」そして「データネットワーク」の4分野に注力する方針を掲げている。本製品の発表に当たって、エンタープライズ・データ・ネットワーク事業部のマーケティング・ディレクターであるジェイク・パワー氏は、同社のデータネットワークソリューションのビジョンを説明。「現在(売上高)5億ドル程度のデータ・ビジネスの規模を、2012年度には10億ドルへと成長させたい」と述べ、その実現に向けて、ユーザー企業の「クリティカルなネットワークにフォーカスして製品ポートフォリオを拡充していく」と方針を示した。
エンタープライズ・データ・ネットワーク事業部 マーケティング・ディレクターのジェイク・パワー氏 | データソリューション ジェネラルマネージャーのジャン・タージョン氏 |
一般企業向けのスイッチ製品としては、事業統合後最初のリリースとなるERS 8800シリーズは、コンパクトな3スロットシャーシのハイエンド向けスイッチ。クラスタ構成で最大200ポートの10ギガイーサネットをサポートする。従来機種のERS 8600に比べて高性能なCPU(1.3GHz)の搭載、メモリ増設の拡張性を備えながら約33%の省電力化を図るなど、コスト効率の向上も実現している。
また、大きな特徴として、無線LANの運用管理を統合する同社の新アーキテクチャに対応する点が挙げられる。無線LANコントローラーの機能を仮想化し、ソフトウェアとしてスイッチ内に搭載することで有線と無線LANの統合運用・管理を実現する「スプリットプレーン テクノロジ」に対応した無線LANソリューションを8~9月に発売する予定で、ERS 8800も2010年内にはこれをサポートする。
データソリューション ジェネラルマネージャーのジャン・タージョン氏によれば、「スプリットプレーン テクノロジ」によって、異なるネットワーク環境を統合し運用・管理コストが削減できるとともに、ユニファイドコミュニケーションの実現に向けて、無線LAN携帯デュアル端末の活用、動画や音声の利用に貢献できるという。秋のリリースに向けて検証作業中だが、「競合他社のいずれも備えていないアーキテクチャであり、どこにも真似できないと自負している」と、データネットワーク事業の拡大の鍵を握る技術であることを強調した。