NTTドコモ、NECカシオモバイルコミュニケーションズ、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、富士通の4社で開発したLTE対応通信プラットフォーム「LTE-PF」の利用ライセンスを、台湾の大手半導体企業のMediaTek社が取得した。2010年7月27日、NTTドコモとMediaTek社が発表した。
MediaTek社は、携帯電話などのワイヤレス通信向けや各種デジタルメディア機器向けのシステムLSIを開発している台湾のファブレス半導体企業で、携帯電話向けでは無線通信を制御するベースバンドプロセッサの市場で米国クアルコム社などとライバル関係にある。ボーダフォン、ファーウェイ、ZTEなど世界市場で多く利用されている2G/3G携帯電話で多くの採用実績をもつ。
NTTドコモがLTE-PFの利用ライセンス契約を締結したのはこれが初めてで、MediaTek社は「LTEのグローバルな相互接続性を確保し、3GからLTEへのスムーズな移行を世界中のキャリアや携帯電話メーカーへ提案できる。約2年後にはLTE-PFをベースにしたLTE対応携帯電話向けのシステムLSIを開発する」(MediaTek会長のMing-Kai Tsai氏)としている。
また、NTTドコモの三木俊雄移動機開発部長は「本ライセンス契約を契機に、MediaTek社とLTE普及に向けた戦略的な議論を開始することができる」というコメントを寄せている。
今後、MediaTek社はNTTドコモとともに国内のLTEサービスに関する相互接続検証を実施するプロジェクトを立ち上げ、国内のLTE携帯電話市場への最適化を推進し、携帯電話開発メーカーへ採用を働きかけていく。
今回のライセンス締結は、NTTドコモらにとってはLTE-PFの普及、MediaTek社にとっては世界標準に準拠したLTE用プロセッサの早期開発につながるという |