インターネットイニシアティブ(IIJ)は2014年にM2Mソリューションの拡充を進めてきた。
「以前は、当社のM2Mビジネスといえば格安SIMの販売しかなかった。それではビジネスにならない。自社のクラウドやネットワークサービスを組み合わせて提供し、アプリケーションからデバイスの領域までM2Mソリューションを提供できるよう、1つ1つ組み立ててきた」と話すのは、営業推進部モバイル推進チーム・プロダクトマネジャーの大川敬之氏だ。
IIJ 営業推進部 モバイル推進チーム プロダクトマネジャー 大川敬之氏 | IIJ ソリューション本部 ネットワーク・セキュリティソリューション部 副部長 引地知寛氏 |
既存のネットワークサービスをM2M用に仕立て直す
もともと強みを持つネットワークの領域では、顧客のニーズを拾いながら、既存の法人向けデータ通信サービスをM2M用途に特化した仕様に変更してサービスを拡充してきた。
閉域接続を利用したいというニーズに対しては、大量のデバイスを収容してデータを収集するM2Mの特性に合わせて、同時に数万回線のセッションを受けられる専用ゲートウェイ機能を提供する「IIJモバイル大規模プライベートゲートウェイサービス」を提供。また、センター側からM2M機器を特定して制御するために、機器に固定のプライベートIPアドレスを付与できる「IIJモバイルBiz+サービス」も、「営業現場でお客様のニーズを聞きながらサービス化したものの1つ」(大川氏)だという。
料金プランについても、夜間のみ高速通信が可能な「夜間限定型」と、低速・常時通信が可能な「24時間型」に加えて、M2M向けでは珍しい「帯域確保型」プランを用意している。1Mbps単位の契約帯域に応じて定額型で課金するものだ。
ソリューション本部ネットワーク・セキュリティソリューション部副部長の引地知寛氏は、「MVNOならではの料金プランと内部の仕組みを作れるのが強みの1つになっている」と話す。
一方、こうしたネットワークサービスをつなぎこむ先のM2Mプラットフォームとしては、2014年2月から「IIJ GIO M2Mプラットフォームサービス」を提供している。IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」上に、「ThingWorxプラットフォーム」を載せて構築している。ThingWorxは、プログラミング不要でデータ収集や分析、可視化するアプリケーションを開発できるのが特徴だ。