<連載>6G時代の新・業界地図激化する6G特許競争 日本は「オール光」で巻き返せるか

6Gを巡る特許競争では米中が先行し、日本は出遅れているのが現状だ。日本の強みである「オール光ネットワーク」でどこまで存在感を高められるかが、今後の巻き返しに向けた重要なポイントになりそうだ。

光×モバイルで主導権握れ

日本で期待を持てるのが、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)をはじめとするオール光ネットワークだ。高速・大容量という特徴に加え、電気信号への変換を極力抑えて光信号のまま伝送することで、大幅な省電力化が見込める。

今後、大都市圏に集中するデータセンター(DC)の地方分散が進むと予想されるなか、各地のDCを低遅延につなぎ、あたかも1つの巨大なコンピューティングリソースとして活用できる可能性もある。

齋藤氏は、「光技術に強く、モバイルにも精通している日本の通信事業者・ICTベンダーが、両分野の強みを活かしたアーキテクチャの提案や、核となるデバイス・技術の開発で先陣を切れれば、日本が主導権を握れるのではないか」と語る。生成AIの急速な普及に伴いDCの電力消費が増大するなか、省電力化技術の重要性は一段と高まっている。オール光をはじめとする日本発の技術がどこまで存在感を示せるか、注目される。

また、日本が特許競争で優位に立つためには、異業種連携も欠かせない。医療や農業など各業界の現場ニーズを起点にユースケースを作り込み、その実現に不可欠な6Gコア技術を共同で開発・出願するアプローチも重要になると同氏は指摘する。

スタートアップや大学への支援を

政府が果たす役割も大きい。前述の通り、米国ではスタートアップから有望技術を取り込み、事業化へとつなげるエコシステムが形成されているほか、中国でも大学に対する特許出願料や特許維持費の減免など、研究機関が知財を保有しやすい制度が整備されている。

日本でも、政府主導の知財支援施策が整いつつあるが、研究機関やスタートアップが負担する特許維持コストは依然として重い。「日本の大学には特許を生み出す力がありながらも、長期的な維持コストを見据えて出願自体を控える傾向も見られる。スタートアップや学術機関への支援制度がより一層充実すれば、日本が先頭集団に食い込める可能性も高まる」と齋藤氏は期待を寄せる。

6G時代の特許競争においては、官民連携でオール光をはじめとする知財や技術を育成・強化できる体制を構築できるかどうかが、日本のプレゼンスを高めるうえで重要な要素になりそうだ。

月刊テレコミュニケーション 2026年6月号の記事を再構成]

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