自由空間光通信「CENTAURI」の実力 光ファイバーと電波に次ぐ“第3の選択肢”に

光ファイバーの敷設が難しいエリアにおける新たな通信手段として注目されているFSO(自由空間光通信)。その代表的なソリューションの1つが「CENTAURI」で、国内では愛媛CATVが本格導入に踏み切った。

港湾や音楽フェスで本格導入

海外では、光ファイバーの敷設が難しいエリアや、設置コスト・工数を抑えたいといったニーズに応える手段として活用が広がりつつあるという。

例えばインドのある港湾では、港湾-管理棟間をCENTAURIで接続。監視カメラや各種センサーが取得したデータの伝送や、緊急・災害時の情報連携などの用途でCENTAURIが用いられている。港湾エリアでは、多数の大型トラックの往来により地盤が局所的に沈下し、浅い層に敷設された光ファイバーが損傷して通信が途絶してしまうことがあったというが、CENTAURIの導入によってこうした問題を解消した。

米国のある通信事業者は、1日数万人が訪れる野外音楽フェスのトラフィック対策にCENTAURIを利用。1時間で設置できる手軽さを活かした。

インドネシアのある通信事業者は、基地局とコアネットワークを結ぶバックホール回線にCENTAURIを適用している。「光ファイバーやミリ波の補完・代替手段として、免許不要で干渉も少ないCENTAURIを使いたいというニーズは強い」とNTT-AT 同部門 主幹技師 統括マネージャの小松貴幸氏は話す。

国内では、ケーブルテレビ事業者の愛媛CATVが、直線距離で約800m離れた本社と松山城をつなぐためにCENTAURIを導入。松山城周辺のイベント時における映像中継や、フリーWi-Fiの提供に向けた通信環境の増強が主な用途だ。愛媛CATVは松山城と本社をCENTAURIで接続

愛媛CATVは松山城と本社をCENTAURIで接続

松山城は重要文化財に指定されており、城郭や周囲の景観・構造を保全する必要があるため、光ファイバーの敷設が難しかった。こうした背景から、景観を損なうことなく高速な通信環境を構築できるCENTAURIが採用されたという。

昨年12月に実施された「令和7年度宮崎市総合防災訓練」では、大規模災害によって光ファイバーが損傷した状況を想定した実証実験を実施。直線距離で約260m離れた河原付近の防災訓練本部と宮崎市役所第二庁舎の屋上をCENTAURIで接続し、河川の状況を撮影したカメラ映像を市役所に伝送した。

近い将来、10Gbpsで15kmの長距離通信が可能になる新モデルもリリースする予定だ。光ファイバーと電波に次ぐ「第3の選択肢」として今後、FSOの存在感はより一層高まっていきそうだ。

月刊テレコミュニケーション 2026年5月号の記事を再構成]

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