<連載>ミリ波のチカラ -超高速通信がもたらす新しい体験-[第8回]総務省が解説! 「26GHz帯オークション」のポイント【前編】

総務省は2025年12月15日、ミリ波である26GHz帯の周波数を我が国初の価額競争(いわゆる周波数オークション)により5Gに割り当てるため、価額競争の実施に関する指針案を公表した。今回と次回に分けて、この指針案の公表に至るまでの価額競争に関する検討を振り返るとともに、公表した指針案のポイントや今後の動向を解説していく。

「入札ポイント制」のルールを解説

今回の指針案では、入札ポイント制を採用している。入札ポイント制とは、価額競争の参加者の積極的な入札行動を促すための仕組みであり、諸外国の周波数オークションでも広く導入されている。

入札ポイント制では、単位(全国枠、地域枠の各区域)ごとにポイント数が設定されており、一方で、各参加者にも所定のルールに従いポイント数が割り振られている。参加者は、「自らが保有するポイント数≧入札した単位のポイント数の合計」となるように入札する。また、参加者があるラウンドで行使しなかったポイント数は、次のラウンドでその分だけ参加者が保有するポイント数が減少する。

こういった仕組みを導入することにより、例えば、参加者が競り上げをずっと様子見し、その終了間際に突如入札する等の望ましくない入札行動を防止し、秩序だった競り上げを行うことが可能となる。

今回の指針案の入札ポイント制の具体的なルールの概要は、次の通りである(図表3)。

図表3 入札ポイント制のイメージ(ポイント数、ラウンド数等は例)

図表3 入札ポイント制のイメージ(ポイント数、ラウンド数等は例)

まず、参加者は、事前に提供した保証金の金額に応じて、初回の入札に必要なポイント数が与えられる(保証金100円につき1ポイント)。各単位の入札に必要なポイント数は、各単位の最低落札価額に基づき設定されており(最低落札価額1000円につき1ポイント)、参加者は、各ラウンドで自らが保有するポイント数を超えないように単位を選択して入札を行う。仮に、参加者があるラウンドにおいて自らが保有するポイント数の全てを行使しなかった場合、参加者は、その分のポイント数を失うこととなり、参加者が次ラウンドにおいて入札できる選択肢が狭まることとなる。

地域枠には「暫定落札の撤回」を導入

今回の指針案では、26GHz帯について全国枠1枠、地域枠1枠を用意している。地域枠は市町村ごとに落札者が決定されるため、場合によっては、価額競争の参加者が、隣接する複数の市町村で事業展開をすることを予定していたものの、実際には予定していた市町村のうち一部のみしか落札できないような事態が生じることも想定される。

このような事態が生じることを防止するため、今回の指針案では、地域枠に限り、暫定落札の撤回と呼ばれる仕組みを導入している。例えば、地域枠で隣り合う市町村の両方に入札したところ、一方の市町村はこのまま価額競争が終了すれば落札できる状態(暫定落札)となったものの、もう一方の市町村は落札することが難しい状況となった場合、暫定落札となっている市町村について、その状態を解消すること(撤回)ができる。

他方、暫定落札の撤回は、制度の濫用を防止する観点から、全てのラウンドを通じて参加者ごとに1回に限り認めることとしている。

◇  ◇  ◇

【後編】では、最低落札価額やオークション参加資格、落札者の遵守条件などのほか、価格競争の公正を確保するためのルールについて述べる。

武田理人(たけだ・りひと)

2018 年総務省入省。主にデジタル政策や地方自治政策に携わり、総合通信基盤局料金サービス課、国際戦略局技術政策課、自治財政局調整課を経て2023年7月より現職

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