<連載>地政学リスク時代の通信戦略防衛省が備える「新しい戦い方」とは? 次世代情報通信戦略も策定

防衛省・防衛装備庁が、民生の先進技術を用いた「新しい戦い方」への備えに注力している。「防衛省次世代情報通信戦略」も公表した。ICT企業にはどんな商機があるのか。

防衛産業への参入促進

「防衛省の予算は、現在の防衛力整備計画において大きく増加し、様々な取り組みを進めていることもあり、防衛産業に関心を持たれる研究機関やスタートアップ企業を含めた企業は増えていると感じている」と防衛装備庁の担当者は語る。

これを具体的に示す1つの数字が、「安全保障技術研究推進制度」への応募・採択の数だ(図表4)。これは防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術に係る基礎研究を支援する制度。「10年以上続けており、予算額はおよそ100億円で変わらないが、近年より多くの応募をいただけるようになってきた」(防衛装備庁の担当者)

図表4 安全保障技術研究推進制度への応募・採択状況の推移

図表4 安全保障技術研究推進制度への応募・採択状況の推移

出典:防衛省の資料を基に作成

防衛装備庁では、優れた技術や製品を有するスタートアップ企業や中小企業等と、防衛関連企業及び防衛省・自衛隊とのマッチング機会を提供し、防衛産業への新規参入を促進するための「防衛産業参入促進展」も開催している。次回は、2026年2月12日~13日の2日間、ベルサール渋谷ファースト(東京・渋谷区)で開催予定だ。さらに、「防衛産業に関心を持っても、どうアクセスしていいのかが分からないという方のために、Webサイトにも窓口を設けている」という。防衛省と直接契約しているプライム企業へ情報提供するなど、窓口で相談した中小企業やスタートアップ企業とプライム企業の“つなぎ役”を買って出ることも多いそうだ。

最後に、防衛装備庁の担当者は次のように防衛産業への興味・関心を訴えた。「防衛省は、自分で工場を持っているわけでもなく、防衛生産・技術基盤はいわば防衛力そのものであり、その強化の必要性は高まっている。多くの企業に関心を持っていただきたい」

民生先端技術等の早期装備化に向けた取組は、防衛分野に通信・IT技術を「持ち込む」試みであると同時に、通信技術の在り方そのものを問い直す動きでもあるだろう。

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