主要コンポーネントを自社開発 導入後も含め「5階層の品質保護」
現代の光トランシーバーメーカーには、高速化と信頼性を高い次元で両立することが求められている。2026年には、データセンターで使われる光トランシーバーの7割が400G以上の高速製品になる見込みで、特に短距離向けの需要は年間35%で急成長すると予測されている。ファーウェイも図表2のように400G、800G対応製品のラインナップを拡充している。
図表2 HUAWEI StarryLink 光モジュール(400G、800G)

高速化で他社としのぎを削るなか、ファーウェイが“故障率半減”の優位性を獲得できた秘訣はどこにあるのか。陶氏は2つの要因を挙げる。
1つは、子会社の半導体企業、ハイシリコンが「光チップをはじめとする主要コンポーネントをすべて自社開発している」ことだ。同氏は、「ウェハーの段階からチップ、光コンポーネント、モジュールの完成まで、全工程を自社で設計・管理する」点を強調。自社製チップを用いることで信号の雑音(ビット誤り率:BER)の低減や、クロック・データ・リカバリ(CDR)の精度向上など、デバイスレベルでの最適化が可能となり、それが高い性能と信頼性をもたらしている。
もう1つが、「5階層の品質保証システム」だ(図表3)。設計開発においては1000時間以上に及ぶ独自のオンボード業務テストを実施し、導入前に製品の欠陥や問題を徹底的に排除。次に、100種類以上の光コンポーネントに対して専門的なテストを行い、高品質なデバイスのみを選別する。
図表3 HUAWEI光モジュールの5階層品質保護

製造現場では、100%の通電温度サイクルテストを実施。非常に厳しい基準でモジュールの耐性を検証した上で出荷している。製造工程の大部分は自動化されており、大量生産される製品であっても品質のばらつきを抑え、高水準の製品を安定的に供給している。
そして、品質保護の取り組みは、顧客への導入後にも及ぶ。ネットワーク上での故障率を継続的に統計・分析する仕組みを持っており、光モジュールの健康状態をリアルタイムで評価。故障原因の特定に役立てるほか、障害発生する前に状態変化を検知して事前介入することも可能だ。
サードパーティ製は安価な代用品にあらず AIインフラ構築の“新戦略”に
AIデータセンターでは今、エヌビディア製スイッチとファーウェイ製光モジュールの組み合わせを選ぶケースが徐々に増えているという。
大規模なGPUクラスターでは、光トランシーバーの費用がネットワーク全体の半分以上を占めることも珍しくない。GPUカードが1枚増えるごとに2.5~4本の光トランシーバーが必要なため、大規模化すればするほど、より安価な非純正品を採用した場合のコスト削減のインパクトは大きくなる。
加えて、「エヌビディアは比較的オープンな姿勢を取っており、Spectrum-Xなどの製品では、非純正トランシーバーの使用を公式に禁止していない」(陶氏)。AIインフラにおける非純正トランシーバーの採用率は60%に達しており、数年で75%に上昇するとの予測もある。
つまり、圧倒的な低故障率と低コストを誇るファーウェイ製光トランシーバーは“安価な代用品”ではなく、AIインフラのコスト効率と信頼性を高めるための“戦略的な選択”となっているのだ。エヌビディア製の各種スイッチやConnectX NICとの適合テストにもすべて合格。RoCEおよびInfiniBand環境のいずれにおいても求められる高速・低エラーレート要件に対応できる光モジュールを主力に製品を展開しており、活用範囲はさらに広がっていくだろう。
また、特定のブランドを避けたい、サーバー/スイッチベンダーが自社ブランドで光モジュールを展開したいといったニーズにも柔軟に対応する。陶氏によれば、OEM開発の形態での提供も可能で、すでにその引き合いもあるという。
2026年中を目標に1.6Tbps対応の光トランシーバーの投入も計画しており、AIデータセンターにおけるファーウェイの存在感はますます高まりそうだ。
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