――2012年度は前年度比28.8%増、2013年も大幅な伸びが見込まれる無線LAN市場ですが、2014年以降はどうなっていくと考えていますか。
荒谷 企業向け市場からみていくと、2013年は企業内の無線LAN化が大きく進みましたが、2014年も引き続きその傾向が続いていくだろうと考えています。
ワークスタイル変革を3年、5年プロジェクトで進める企業が増えている中で、会社支給も含めスマートフォンをビジネス活用するという観点で、無線LANはなくてはならないインフラという認識になってきています。また、これまでの会議室など部屋単位での置局設計から、通路も含め社内全体をWi-Fi化する大規模案件が増えてきており、企業向け無線LAN市場全体の売り上げも伸びました。当社も市場の伸び率以上の売り上げを確保できました。
有線に近い通信品質の提供を
――企業内のWi-Fi化を推進していく上で注力すべきポイントはどこですか。
荒谷 通信品質です。Wi-Fi化が進み、無線LANがプライマリインフラ、有線LANはセカンダリインフラになった時に、無線LANが使えなくなってしまうと企業は大きなダメージを受けることになります。
有線LANに近い品質を無線LANで実現することで、スマートフォンやタブレット端末、ノートPCのモビリティを確保し、さらに干渉を抑えるクリーンエア機能などで快適な通信ができる環境を提供していくことが重要だと考えています。
また、管理面も含めて有線LANと無線LANを1つのネットワークとしてシームレスにつなぐことも非常に重要だと考えています。有線と無線を一元管理できる統合管理システムや、コントローラ機能を持たせたスイッチなど、有線と無線の管理機能をどんどん融合していくような製品展開が進んでいきます。無線の高速化に合わせて、有線部分のスループット性能が高いコントローラの需要も高くなってきていると感じています。