ネットワン、ローカル5GとWi-Fi 6を比較する製造業向け「次世代無線共創プロジェクト」を実施

ネットワンシステムズは2024年10月18日、昨年5月に開設した「イノベーションセンターnetone valley」で、オムロン・明治電機工業と製造現場のスマート化の実現を目指す「次世代無線共創プロジェクト」を実施したと発表した。

同プロジェクトでは、工場のスマート化、レイアウトフリーな生産ラインの実現に向け、Wi-Fi 6とローカル5Gを活用したAMR(自律走行搬送ロボット)の自律走行や、PLCタグデータリンク通信の検証を行った。また、7月から9月にかけて、イノベーションセンター netone valleyに40社以上の製造業の顧客を招待。同検証をもとに準備したデモンストレーションを披露した。

AMRの自律走行に関するデモでは、Wi-Fi 6およびローカル5Gで通信制御を行えることを確認できたという。一方、映像については、Wi-Fi 6利用時には乱れが生じたが、ローカル5G利用時では4Kの映像でも乱れがなく、より高い可用性が求められる環境におけるネットワークの重要性を確認できたとしている。

装置間の通信が有線で複雑に配線されているPLCの無線化は、配線の手間の省略、自由な生産ラインの変更、生産設備の遠隔操作などが可能になるが、通信の遅延やデータロスが生産性に影響を与える可能性がある。今回のデモでは、通信規格の違いによるデータ欠損の有無を確認するため、無線空間でのPLC間のデータ同期を行うタグデータリンク通信を実施した。Wi-Fi 6ではデータの欠損が生じたが、ローカル5Gでは欠損なくデータを取得することができたという。

これら2つのデモにより、Wi-Fi 6とローカル5Gがどちらも生産現場で使用可能な技術であることを示したうえで、現場での安定性・パフォーマンスを重視する場合はローカル5G、導入コストや対応機器の豊富さを優先する場合はWi-Fi 6といったように、無線化で何を実現したいかによって採用する技術の選定や、現場のニーズと課題を詳細に把握することによる安定接続に向けた最適化が重要であることを顧客に提示できたとしている。

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