医療系ベンチャー企業のリブトとマグナ・ワイヤレス(旧エイビット5G事業部)は2024年3月26日、5G通信を活用した嚥下内視鏡検査の遠隔医療の共同実証実験を実施したことを発表した。
嚥下内視鏡検査は、食事を取る過程で誤嚥のリスクを評価する検査。食物を飲み込む際の反射が低下する高齢者において、特に重要な検査と位置づけられる。
実証実験は、地方や離島など、専門医が不在の地域でもいつでも嚥下内視鏡検査ができる環境を構築することを目的して行われた。マグナ・ワイヤレスが計画策定・実施支援、リブトがマルチビュアー嚥下内視鏡の製品開発を担当した。使用した5G回線は楽天モバイルが提供した。
具体的には、嚥下内視鏡で撮影した咽頭内部の映像と、PCに接続されたサブカメラで撮影されている患者の様子を、5G通信を利用し他拠点へ同時配信した。より正確な診断を行うため、遠隔地で支援にあたる医師が現場の医師に指示を出しながら嚥下内視鏡検査を行った。実験結果は良好であり、さらなる画質の向上といった課題が見つかったという。
専門医によると、一般的に遠隔診療においては、内視鏡検査画像は見えるものの、現場での患者の様子が見えないことが課題だったという。「今回の検証では、マルチビュアーでサブカメラの映像が同時に取得できることで、十分に遠隔での技術指導を行うことが可能であると考える」と専門医はコメントしている。
リブトとマグナ・ワイヤレスは、同実証実験の結果を基にサービス化を実現を目指すという。