IIJ、Nordic Semiconductorの通信モジュール「nRF9160」をSoftSIM対応ラインナップに追加

インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は2024年2月26日、無線通信のソリューション事業者であるノルウェーのNordic Semiconductorとの協業により、同社の通信モジュール「nRF9160」が、IIJのSoftSIMに対応したと発表した。

SoftSIMは、通信モジュールの特定領域に通信プロファイルを格納することで、物理SIMと同じようにモバイル通信を可能にする。SIMカードとSIMソケットが不要になることで、通信基板上でそれらの部品を搭載する物理的なスペースが不要になり、かつ、故障率が低減するとともに、温度耐性や耐振動性、耐衝撃性を高め、物理的な破損や外的要因による通信障害等の低減が可能になる。また、開口部が不要なため、外装の防水設計が容易になるだけでなく、通信機器の小型化、さらにはSIMカードの盗難抑止にもつながるという。

IIJは、2019年からSoftSIMソリューションを提供しており、国内では唯一のSoftSIM提供事業者。SoftSIM対応ラインナップに新たに加わったnRF9160は、IoT製品が無線通信を行うために必要な機能を1つのパッケージに集積した通信モジュール(部品)だ。小型、低消費電力、グローバルで認証された周波数帯に対応しているなどの特徴がある。通信モジュール内部にアプリケーションプロセッサやメモリがすでに搭載されているため、追加で制御用の部品を基板に搭載する必要がない。nRF9160を採用することで、自社製品の小型化・軽量化や製造コストの低減に加え、SoftSIMの特性を活かし、製造工程に合わせて通信プロファイルを設定できるため、生産の効率化が図れるとしている。

IJでは、ユーザーの通信モジュールの利用状況に応じて2つのタイプのSoftSIMを提供る。1つはnRF9160をモデム機能として利用する場合、もう1つはモデム機能に加え、モジュール内にお客様が自社製品の仕様に合わせたプログラムやアプリケーションを組み込んで利用する場合にも提供が可能だ。

すでにnRF9160を搭載したIoT製品を製造しているユーザーは、ハードウェアの仕様を変更せずに、nRF9160に書き込む制御プログラムの修正のみのマイナーチェンジでSoftSIMに切り替えることができる。

ハードウェアの変更不要でSoftSIM化

ハードウェアの変更不要でSoftSIM化

また、SoftSIMを前提にハードウェアの設計自体を変更するフルモデルチェンジにあたっても、PoCをサポートするなど、IIJの持つ知見を活かし、SoftSIM対応の推進を支援するという。

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