「メタバースでサイバーセキュリティ対策」 DNPが演習プログラムを開発

大日本印刷(DNP)は2023年9月28日に記者発表会を開催し、複数の部門が連携してインシデント発生時の緊急対応と組織間連携を学べる「組織連携コース_メタバース演習」を開発したと発表した。11月8日より提供を開始し、各企業のセキュリティ体制を支援していく。

「ますますサイバー攻撃の脅威が増大している。様々な仕組みを導入したサイバー攻撃の防御強化はもちろん、万が一攻撃を受けた際でも、事業を継続させることが非常に重要である」

大日本印刷(DNP)常務執行役員の金沢貴人氏は、2023年9月28日に開催した記者発表会でサイバーセキュリティの重要性を説いた。

DNP 常務執行役員 金沢貴人氏

DNP 常務執行役員 金沢貴人氏

サイバー攻撃が悪質化する中、DNPは2016年よりサイバーセキュリティ人材を養成する「サイバーナレッジアカデミー」を立ち上げ、各企業のサイバーセキュリティ対策を支援してきた。実際に発生したサイバー攻撃の体験や経験をベースとした教育が特徴で、受講企業・団体は約280社、受講者数は7200人を超えるという。

一方、各企業のセキュリティ担当者からは、「経営層向けにインシデント対応訓練を計画したが、そのためだけに集まってもらえない」「事業部門はサイバー攻撃への対策ツールをインストールしようとしない」といった声も上がったという。

「経営層を含めた、全組織としてのサイバー攻撃へのリアリティが希薄であることの表れだ。また、防災訓練同様に実際に経験してみないと自分事化しにくい」とDNP ABセンター サイバーセキュリティ事業開発ユニット ユニット長の谷建志氏はサイバーセキュリティの現状を語った。

DNP ABセンター サイバーセキュリティ事業開発ユニット ユニット長の谷建志氏

DNP ABセンター サイバーセキュリティ事業開発ユニット ユニット長の谷建志氏

そこで同社が着目したのが、「メタバース」を活用したサイバーセキュリティ対策だ。メタバースによる机上演習で、従業員に“体験感”を植え付けることが狙いだ。また、メタバースによる訓練であれば、場所による制約を受けない。実施会場や道具、ファシリテーターの準備も不要だ。

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