Web会議としても使えるビジネスホン~NECインフロンティアがAspire Xで新提案

NECインフロンティアがIPビジネスホン「Aspire X」のソフトフォンを強化し、最大8端末のWeb会議を可能にした。競合するWeb会議と比較しても割安な価格水準となっている。

電話だけでなく、Web会議としても使ってほしい――。

NECインフロンティアが、IPビジネスホン「UNIVERGE Aspire X」で新提案を始める。これまでユーザーからは“電話機の代わり”としてしか見られなかったソフトフォン「デスクトップコミュニケータ550(DC550)」の機能を大幅に強化し、最大8端末まで参加できるWeb会議用ツールに仕立てた。これにより、Aspire XはWeb会議システムとしても利用可能になった。

Aspire X
DC550のWeb会議画面。資料共有、ホワイトボード、テキストチャットといったWeb会議の基本的な機能を備える。画面の右側のように、チャットは議事録としても使える。そのほか、操作権限の受け渡しやファイル転送、特定相手とだけ会話できる「ささやきチャット」など、必要な機能がひと通り揃っている

電話システムの強みを活かす

Aspire Xの既存ユーザーであれば、主装置にVoIPユニットを追加して社内LANやWANに接続し、端末数に応じたライセンスを購入すればWeb会議機能をアドオン可能だ。VoIPユニットの標準価格(税別、以下同)は10万円、ライセンスは1端末当たり約2万6000円となっている。「他社のWeb会議を十分に検討し、勝負できる価格を設定した」とNECインフロンティア国内営業事業本部ネットワーク営業事業部ネットワーク営業推進部長の近藤秀一氏は説明する。すでに内線をIP化しているユーザーであれば、VoIPユニットの追加さえ不要だ。

出張費の削減、移動時間の節約を目的に遠隔会議システムを導入する企業が増えている。特に、既存のPCとブロードバンド回線で利用できるWeb会議の注目度は高く、なかでも最近は月額料金で利用できるASP/ SaaS型のサービスが人気だ。しかし、ASP/SaaS型も長期間利用する場合の総コストは決して小さくない。拠点間IPネットワークを新設する場合にはそのコストも必要になるが、上記の価格は十分安いと言える。

しかも、もともとが電話システムであるという点に注目だ。データ共有や映像表示が売りのWeb会議といえども、使い勝手の良し悪しを決める最大の鍵は音声だからである。

Aspire XのWeb会議は、各PC上のソフトフォン(DC550)が互いに映像のやり取りやデータ共有を行い、会議通話は独立してAspire Xの主装置で制御する。したがって、音声品質が良好に保てるうえ、音声端末の自由度も高い。通話は、普段使っている電話機でも、PCに接続したハンドセットやマイクスピーカーでもいい。携帯電話からでも主装置の会議トランクにつなげれば、音声のみだが会議に参加できる。同部・シニアエキスパートの阿部一之氏は、「映像と音声を別にすることで、安定性と運用の自由度が高まる。これが、ビジネスホンにWeb会議を追加した最大のメリット」と語る。

NECインフロンティア・国内営業事業本部ネットワーク営業事業部ネットワーク営業推進部の近藤秀一部長(右)と、阿部一之シニアエキスパート
NECインフロンティア・国内営業事業本部ネットワーク営業事業部ネットワーク営業推進部の近藤秀一部長(右)と、阿部一之シニアエキスパート

月刊テレコミュニケーション2011年1月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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