企業ネットワーク最前線

SPECIAL TOPIC

走り出した「5G網をAzureへ」計画 クラウド移行でキャリアは何を得るか

提供◎日本マイクロソフト株式会社 2022.05.23

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

5Gコア、RAN、MECをパブリッククラウドで動かすという新たなネットワーク運用法にチャレンジしているのが、米AT&Tとマイクロソフトだ。キャリアグレードのクラウド基盤作りからスタートし、2023年からはいよいよ5GコアをMicrosoft Azureへ移行する。これによってAT&Tは何を得ようとしているのか。その狙いと進捗状況をマイクロソフトに聞いた。


自前主義を捨て、パブリッククラウドのパワーをフル活用する──。

キャリアネットワークの構築・運用においても、この選択肢が現実のものになろうとしている。先頭を走るのが、米AT&Tとマイクロソフトだ。

2021年6月に両社は、AT&Tがプライベートクラウドで運用してきた4G/5Gネットワーク(以下、5G網)をAzure上へ移管する3カ年計画を発表。ネットワーク機能をAzureへ移すだけでなく、運用を担うAT&Tのエンジニアと知的財産まで含めてマイクロソフトへ移管する大型プロジェクトが始動した。

両社が狙うのは、通信事業者の事業体制とビジネス構造の変革だ。日本マイクロソフト 通信メディア営業統括本部の大友太一朗氏はこう語る。

「インフラ構築・運用を我々に任せることで、AT&Tはネットワーク/サービスの企画と販売に集中できる。設備投資もCAPEXモデルからOPEXモデルへ転換する。通信事業者はARPUが低下するなかで“新たな稼ぎ方”を構築しなければならないが、パブリッククラウドへの移行によって高付加価値事業へのリソースの集中とコスト効率化が可能になる」

 

日本マイクロソフト 通信メディア営業統括本部 インダストリーアドバイザー 大友太一朗氏
日本マイクロソフト 通信メディア営業統括本部 インダストリーアドバイザー 大友太一朗氏

 

Azureにキャリア品質の仮想化基盤 オンプレミスも含めて一括運用この計画は大きく2段階に分かれる。2022年末を目処に、Azure上に“キャリアグレード”のクラウド基盤を整備。この基盤上に、2023年から5Gネットワークを展開する(図表1)。

 

図表1 AT&TモバイルネットワークのAzureへの移行

図表1 AT&TモバイルネットワークのAzureへの移行

 

第1段階は着々と進行中だ。AT&Tの技術・ノウハウをマイクロソフトが引き継ぎ、「ネットワーク機能のオーケストレーションと運用監視、そしてセキュリティを担保する仮想化クラウド基盤を構築している」(大友氏)。運用管理はすべてマイクロソフトが担う。

このクラウド基盤は、AT&T以外の通信事業者も利用可能なサービスとして提供される。図表1【2】に示す「Azure Operator Distributed Services(AODS)」だ。AT&Tと開発・検証を進め、2023年に一般提供を始める予定だ。

このAODSは、大規模な5G網を運用する上で欠かせない2つの要素を備える。1つは、Azureの外まで運用監視の範囲を広げられる点だ。

例えば5GコアはAzureで、RANとMECは通信事業者のプライベートクラウドで運用するケースでも、「それらを一括運用し、エンドツーエンドのネットワークスライスを作ってユーザーに提供できる」(同氏)。複数ベンダーの製品が混在する環境にも対応するため、AT&Tのようにすでに5G網を展開している通信事業者に対してもAzureへ移行する際の「現実的な解を提案できる」。

2つめがセキュリティ/可用性の担保だ。「仮にコア機能の1つが落ちても別の場所で立ち上げてサービスを維持する。AT&Tが使ってきた仕組みにAzureの技術を組み合わせて信頼性、可用性を担保する」。

この基盤を完成させた後、2023年からの第2段階では、いよいよ各ネットワーク機能のAzureへの移行を始める。インフラからネットワーク機能まで構築・運用をマイクロソフトがすべて担うことで、AT&Tはサービスの企画・展開に集中できる体制が整うことになる。
  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

スペシャルトピックスPR

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】WIRELESS SMART CITY

<Part1> ネットワークとともに進化する都市
<Part2> スマートシティネットワークの作り方
<Part3> 柏の葉に“Meta発”ミリ波無線の実験場
<Part4> スーパーシティ大阪 L5G広域利用の先行事例に
<Part5> ドローン「レベル4解禁」で変わる都市の物流
<Part6> ワイヤレス給電は都市をどう変えるか?

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

レッドハットインフラの自動化で34%の工数削減 レッドハットのネットワーク自動化2.0
人と人のコミュニケーションも効率化し、圧倒的な自動化を実現する。
i-PROセキュリティカメラの映像を遠隔監視 AI機能でマーケティングなどにも活用
幅広い用途に簡単、スピーディー、リーズナブルに対応するi-PRO Remo.
ジュニパーネットワークスWi-Fi 6E×AIで超効率ネットワーク 無線からWANまでクラウドシフト
ジュニパーはWi-Fi 6E時代に向けて、NW運用をAIとクラウドで効率化!
UniFiWi-Fi 6のライセンス費用がゼロに UniFiならコスパ抜群・簡単管理
圧倒的なコスパと手軽さで、オフィス、学校、工場、病院らが採用
日本マイクロソフト走り出した「5G網をAzureへ」計画
クラウド移行でキャリアは何を得るか

AT&Tの5GコアのAzure移行の狙いと進捗状況をマイクロソフトに聞いた。
ローデ・シュワルツ強みのミリ波技術で6G開発に貢献 1THz対応受信器もラインナップに
ローデ・シュワルツが得意のミリ波技術で6Gへの取組を強めている。

モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」<連載>NTTグループのプロフェッショナルたち
モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」<サイバーセキュリティ戦記>
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏

「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」
セイコーソリューションズISDNからインターネットへ スムーズな移行を可能にするには

ハードウェアを設置するだけ!ISDNからIP網への移行をフルサポート。

AirREAL-VOICE2簡単操作でマイグレーション実現
データ通信だけでなく通話・FAXも

アダプターの入替だけで移行が完了するMIの音声対応LTEルーター

NTTデータINSネットの後継ならお任せ!
移行で伝送時間短縮や負荷軽減

INSネットからの失敗しない移行方法をEB/FBの種類別に紹介しよう。

Wi-SUN AllianceWi-SUN認証デバイスが1億台突破
日本発の世界標準規格の普及加速

2.4Mbpsへの高速化など新たな進化も始まっている。

エヌビディアNTTとLINEが牽引する日本の自然言語処理、この2社がリーダーである理由

3月21日から開催の「NVIDIA GTC 2022 Spring」で知ろう!

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc202012

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます
当ウェブサイトはCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、プライバシーポリシーに同意したことになります。