通信事業者向けネットワーク機器市場でもシスコが圧倒的ーIDCが2019年の国内ネットワーク機器市場シェア発表

IDC Japanは2020年6月22日、イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場について2019年のベンダーシェアを発表した。これによるとシスコシステムズが2019年も51.6%のシェアを獲得し、国内ネットワーク機器市場における同社の強さが浮き彫りになった。

国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア実績、2019年
企業向け市場をみると、シスコは50%近いシェアを確保した。品分野別でも、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器のすべての市場でトップシェアになっている。さらに、多くのベンダーがマイナス成長に陥った通信事業者向けネットワーク機器市場でも楽天モバイルのネットワーク構築などが通信事業者向けルーターの売上増加に寄与し、同市場で70%近いシェアを獲得した。

ただ、注目すべきベンダーはシスコ以外にも存在するとIDC Japanは指摘している。ヤマハは、企業の中小規模拠点などに配備されることが多いSOHOルーター市場において、売上額で2桁成長を達成しシェアは50%に迫った。また、アライドテレシスは企業向け無線LAN機器市場において、上位ベンダーの中では突出した成長でシェアを伸ばした。アライドテレシスの無線LANを企業ネットワークの主役の一つに据えた戦略の転換と、その戦略を具現化する無線LANソリューションの拡充が、市場シェアの拡大につながったと同社は分析している。

さらに、データセンター向けイーサネットスイッチ市場では、アリスタネットワークスがシスコシステムズに次ぐベンダーとして盤石な地位を確立している。

企業ネットワークにおいても、「所有から利用へ」の動きは以前よりも強まっており、マネージドネットワークサービスの強化を事業者は進めている。IDC Japanの草野賢一氏は「企業向けネットワーク機器ベンダーは、マネージドネットワークサービス事業者向けビジネスを重視する製品戦略への転換を検討すべきである。企業のマネージドサービス志向の高まりに伴って、ネットワーク機器市場に対する影響力が強まる中で、マネージドサービス事業者に選ばれる企業ネットワークソリューションとは何か、といった視点での製品開発がこれまで以上に重要になる」と述べている。

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