<ミクシィ>ホワイトボックス光伝送装置とオープンOSをDCIに世界初導入

2019年8月、データセンター間をつなぐバックボーン網にホワイトボックス型光伝送装置を導入したミクシィ。ハード/ソフト分離型の利点を活かして、インフラの柔軟性を飛躍的に高めるための挑戦が始まった。

日本におけるSNSの草分けである「mixi」、スマホアプリ「モンスターストライク」といったサービス/事業の成長に合わせて、それを支えるインフラも大胆に改革し続けてきたミクシィが昨年、“世界初”の試みを行った。これらのサービスで生まれる膨大なトラフィックを伝送するバックボーンネットワークに、ホワイトボックス型の光伝送装置を導入し、ハードウェア/OS分離型(ディスアグリゲート型)の光伝送ネットワークを構築したのだ。

ハードウェアとOS/ソフトウェアを分離することで個別調達が可能になり、用途に合わせて組み替えることもできるのがディスアグリゲート型の利点だ。大手データセンター/クラウド事業者では近年、データセンター内のネットワークをこうしたディスアグリゲート型で構築するケースが増えてきている。

DCIにホワイトボックス導入ミクシィの今回の取り組みは、それをデータセンター間接続(DCI)の光伝送網に適用したものだ。ハードウェアには、Edgecore Networksの「Cassini」を、ネットワークOSにはCassini向けに開発されたオープンソースソフトウェア(OSS)の「Goldstone」を採用した(図表1)。

図表1 ミクシィのネットワーク環境

図表1 ミクシィのネットワーク環境

これにより、特定機材/ベンダーへのロックインを回避。さらに、サーバーシステムと同様のオペレーションが可能なCassiniとGoldstoneを採用したことで、光伝送網も「サーバーと同じような運用が可能になり負荷も軽減された」と、開発本部インフラ室ネットワーク開発グループの馬淵俊弥氏は成果を語る。

この伝送網は2019年8月に商用稼働を開始し、現在、大ヒットゲーム“モンスト”のバックボーンの一部として運用されている。ミクシィが提供する各種サービスの中で最も大量のトラフィックを扱う領域で使われているが、その狙いについて室長の吉野純平氏は「ぬるいところに使っても“大丈夫だったね”で終わってしまう。新しいものは、一番激しいところに使わないと真価がわからない」と話す。大きなトラブルもなく、順調にトラフィックをさばき続けているという。

月刊テレコミュニケーション2020年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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