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OKIのIoT無線「SmartHop」が新展開 米・東南アジア市場開拓へ本腰

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.04.03

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2013年の提供開始からこれまでに40社・約90種のデバイスに採用されているOKIのIoT無線「SmartHop」。製造業等を中心に積み上げてきた実績をベースに海外市場の開拓に乗り出す。

 
「メーカー独自規格のIoT無線市場で、OKIのシェアは17%(2018年、ミック経済研究所調べ)。トップシェアを狙えるポジションにいる」

自営型のIoTネットワーク構築に適した無線システムとして「920MHz帯マルチホップ無線SmartHop」を提供してきたOKI。事業を統括するスマートコミュニケーションビジネスユニット長の山本高広氏は、2018年11月に開催した「第4回 SmartHopカンファレンス」でそう述べた。

IoT向け無線システムとしては、ここ数年LPWAが注目を集めている。LoRaWANをはじめ、ユーザーが自営型ネットワークを構築するための各種LPWA規格があり、BluetoothやWi-Fiも含めて様々なIoT向け無線通信方式が乱立している状況だ。また、通信事業者も2018年からLPWAサービスを開始しており、ユーザーには豊富な選択肢が与えられているが、山本氏はSmartHopの強みをこう語った。

「SmartHopなら、オペレーターに依存せず、ユーザーが自前で自由度の高いセンサーネットワークが作れる。能力としても、見通し1km以上飛び、マルチホップ通信で信頼性の高いネットワークが構築できる。スループットも100kbps程度を確保できる。これらの強みを活かして、自営型のリーダーの地位を獲りたい」

第4回 SmartHopカンファレンスで講演する、OKI スマートコミュニケーションビジネスユニット長の山本高広氏
第4回 SmartHopカンファレンスで講演する、
OKI スマートコミュニケーションビジネスユニット長の山本高広氏


札幌ドームでフィールド移動制御SmartHopは回り込み特性が強い920MHz帯の性質に加えて、1:N通信をサポートすることで大規模ネットワークの構築にも対応したOKI独自の無線通信システムだ。バケツリレー方式でデータを転送するマルチホップ型ネットワークが構築できるため、無線機同士が直接通信できない場合でも、親機と子機の間にもう1台の子機(中継機)を置いて通信できる。経路を複数用意しておけば、自動的に最適な経路に切り替える耐障害性の高いネットワークを構築可能だ。

こうした特徴が発揮された事例の1つが、国内唯一の天然芝サッカースタジアムである札幌ドームだ。

札幌ドームのサッカーフィールドは天然芝の育成等のため、フィールド全体をドーム外に移動することができる。空気圧によってフィールドを浮上させて移動するホバリングシステムを運用しており、この移動制御にSmartHopが採用された。

図表のように、ドーム内の管理室からマルチホップ通信によって芝の移動を制御する機械をコントロールする。当初はWi-Fiでシステムを構築したが通信が安定しなかったため、SmartHopの採用に至ったという。

 

図表 札幌ドームでのSmartHop活用例
図表 札幌ドームでのSmartHop活用例


もう1つ、デバイスの選択肢が豊富な点もSmartHopの特徴だ。40社以上のパートナーがSmartHop通信モジュールを組み込んだ89種の製品を販売している。ユーザーは、それらの無線機、ゲートウェイ、センサー等を組み合わせてマルチベンダー型のIoTシステムを構築できる。

2017年から提供開始した電池駆動対応モジュールの「SRシリーズ」の採用も進んでおり、計測・制御機器やセンサーにSmartHop通信機能を組み込んだ電池駆動式の製品も続々と登場している。

電池駆動対応モジュール「SRシリーズ」搭載デバイスもラインナップするエム・システム技研の「くにまるシリーズ」。エム・システム技研は、米国FCC版のくにまるも近々リリースする予定
電池駆動対応モジュール「SRシリーズ」搭載デバイスもラインナップする
エム・システム技研の「くにまるシリーズ」。
エム・システム技研は、米国FCC版のくにまるも近々リリースする予定


モジュールの出荷増とともにSI案件の売上も伸び始めており、2018年度は前年度の1.5倍以上の売上を見込む。「製品の物販だけでは市場規模も小さいが、SI等も含めれば、その5倍以上のビジネスが見込める」と山本氏は今後を展望した。
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