導入・選定ガイド

「クラウド型仮想デスクトップ」丸わかりガイド(前) ~ 基礎知識編

文◎楽天理(テクニカルライター) 2011.06.14

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クラウド化のトレンドのなか、急速に導入機運が高まっている「クラウド型仮想デスクトップサービス」。最近はBCPや節電対策の観点からも脚光を浴びる同サービスの基礎知識から選択のポイントまでを全2回で解説する。

「クラウド型仮想デスクトップサービス」とは?

クラウド型仮想デスクトップサービスとは、サービス事業者のデータセンターに設置されているサーバー上に仮想PCを構築し、そのデスクトップ環境をネットワーク経由で利用者に貸し出すサービスのこと。DaaS(Desktop as a Service)の一種だ。

ここでは、クラウド型仮想デスクトップサービスの具体例として、図表1にソフトバンクテレコムの「ホワイトクラウド デスクトップサービス」を紹介する。これを見ればわかるように、サービス事業者側に利用者の仮想クライアントPCが配置されていて、各クライアントPCの画面情報だけが利用者側の端末にネットワーク転送されるようになっている。

利用者側で利用できる端末の種類はサービス事業者あるいはサービスメニューにより変わってくるが、基本的にはシンクライアント専用端末を導入してもよいし、既存のPCをそのまま流用して使うこともできるようになっている。また、最近ではスマートフォンやタブレット端末への対応も進んでいる。

 

図表1 クラウド型仮想デスクトップサービスの一例(出典:ソフトバンクテレコム)
図表1 クラウド型仮想デスクトップサービスの一例(出典:ソフトバンクテレコム)

クラウド型仮想デスクトップサービスの主なサービス内容

次に、各社のクラウド型仮想デスクトップサービスで提供されている主なサービス内容を紹介しよう。

・仮想デスクトップ導入支援サービス
仮想デスクトップ環境の要件定義や、現行のクライアント環境からシンクライアント環境へのデータ移行作業などを支援。ユーザニーズに合ったシンクライアント方式を提案してくれる。

・仮想デスクトップサービス
OS、ブラウザ、オフィスアプリケーション、コンピュータウイルス対策ソフトなどを含んだデスクトップ環境を月額使用料金で提供。ユーザー側で独自に使用したいアプリケーションがある場合は、別途導入作業を行う必要がある。

・オプションサービス
サービス事業者の多くは、デスクトップサービスだけでなく、ストレージサービスやメールサービスなどのクラウドサービスも同時に提供している。

・クライアント管理機能
クライアントを一元管理するためのシステム管理者向け機能を提供。例えば、デスクトップサービスやストレージサービスを遠隔ロックしたり、クライアントの利用状況を確認したり、アカウントやオプションなどの契約変更をオンラインで行ったりすることができる。

・ネットワークサービス
キャリア系のサービス事業者の場合には、ネットワーク回線も含めたワンストップのクラウド型仮想デスクトップサービスを提供している。社内からクラウド型仮想デスクトップサービスを利用する場合にはVPNサービスなどを、社外からリモートアクセスでサービスを利用する場合にはインターネット接続サービスをそれぞれ利用することになる。

・シンクライアント端末
仮想デスクトップでは、既存のPCに専用のUSBキーなどを指し込むことでシンクライアント端末として使用できる仕組みが提供されている。例えば、インターネットイニシアティブの「IIJ GIO仮想デスクトップサービス」では「REMO」という仕組みを提供している(図表2)。REMOには、専用OSをインストールした状態のSDカードをノートPCに装着して利用するタイプと、USBメモリにOSイメージを用意し、電源投入時にUSBブートにてOSを起動するタイプがある。利用者はログオン時にIDとパスワードを入力するだけで、面倒なVPN接続等のネットワーク設定・操作やシンクライアントサーバーへの接続操作を行う必要がない。

 

図表2 既存PCをシンクライアント端末として利用 (出典:IIJ)
図表2 既存PCをシンクライアント端末として利用(出典:IIJ)


また、節電対策を推進したい場合にはシンクライアントの専用端末を利用できる。シンクライアント専用端末には、Windows XP EmbeddedやWindows Embedded Standard、あるいはベンダー独自開発のThinOSがファームウェアとして搭載されており、ICAやRDPなどの画面転送プロトコルをサポートしている。

 

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