NECが物流業向けに協調型の自動搬送ロボット開発、2021年度内に商用化へ

NECは2021年12月17日、物流現場での入出荷作業の生産性を向上させる次世代型の自動搬送ロボット(AGV)を活用したソリューションを開発したと発表した。物流会社などとの実証実験を行い、2022年3月までに本ソリューションの商用化を目指す。

複数ロボットを一括制御し、ネットワークの遅延がある場合でも高い制御精度を実現できることが特徴という。また、本ソリューションに用いる次世代型AGV「協調搬送ロボット」は、多様な形状のユニットロード(カゴ車、平台車等の荷物搬送機器)を人のサポートなしに自動搬送することが可能だ。

2台のロボットが挟み込む形で搬送
2台のロボットが挟み込む形で搬送

倉庫に設置したカメラの映像やセンサー情報を集約し、複数ロボットを一括制御する。ネットワークで生じる遅延の変動を予測し、その予測結果に基づき制御するNECの「適応遠隔制御技術」を用いて制御精度を向上させている。

倉庫内の状況をリアルタイムに俯瞰して把握することで、時々刻々とレイアウトが変化する現場での搬送や、人との協調作業の実現を目指す。今後は、道迷い回避や障害物回避などインテリジェンス機能も搭載予定という。

また、従来のAGVは、ユニットロードを搬送するために、ユニットロードをAGVに載せる、あるいは治具によって掴むことなどが必要になり、ユニットロードの形が変化すると、新たな治具の開発や、AGV形状に合わせたユニットロードの開発などが必要だった。本ソリューションで活用する協調搬送ロボットは、自在輪が付いているユニットロードを、人のサポート無しに2台のロボットで挟み込む形で保持し、搬送指示画面からあらかじめ設定した留置位置まで搬送、留置できる。

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