シスコの5G/ローカル5G開発戦略は「企業ネットワークとの統合」視野に

通信事業者の5Gネットワーク、そして企業が用いるローカル5G向けソリューションにも注力するシスコが、その開発戦略を発表した。自社開発の5Gコアに、パートナー製のRAN設備を組み合わせて提供。固定アクセスやWi-Fiとローカル5Gの統合運用も推進する。

通信事業者を含むサービスプロバイダー(SP)向けルーター市場で、77%(2021年第2四半期)と圧倒的なシェアを持つシスコシステムズ。同社は近年、通信事業者向けビジネスの範囲をさらに拡大している。5Gコアネットワークの開発・提供やIPレイヤーと光レイヤーの統合ソリューションなどだ。

加えて、「ローカル5G」も重点領域の1つだ。

5G基地局を開発・提供するRAN(無線アクセスネットワーク)ベンダーとパートナーシップを組み、自社開発の5Gコアと組み合わせて提供する。ローカル5Gは固定系通信事業者にとって新たなビジネス領域となるが、2020年度にはNTT東日本と協力して、新潟で行われたローカル5G実証事業を支援している。

シスコシステムズ 情報通信産業事業統括 専務執行役員の濱田義之氏
2020年11月に開設した実証ラボ「5Gショーケース」からオンライン説明会に参加した
シスコシステムズ 情報通信産業事業統括 専務執行役員の濱田義之氏

このローカル5Gソリューションの開発に関して、シスコシステムズ 情報通信産業事業統括 専務執行役員の濱田義之氏は「企業ネットワークとの統合」をキーポイントの1つに挙げる。「ローカル5GとWi-Fi 6、有線ネットワークを一元管理したいというニーズが強い。クラウドWi-Fiのように、ローカル5Gも簡単に運用できるのではないかと期待されている」とし、ローカル5Gを含めた「マルチアクセス」ソリューションの開発に注力する方針を示した。

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