エリクソンが最新の予測レポートを発表5Gの加入者とエリアは5年でどこまで成長するのか

エリクソンは年2回、世界のモバイル動向を調査・予測する「モビリティレポート」を発表している。最新版である2020年11月版について、エリクソン・ジャパンが説明会を開催した。現在2億強の5G加入契約数は2026年に35億まで増加。人口カバレッジも15%から60%まで拡大する見込みだ。

「エリクソンモビリティレポート」の最新版では、2020年時点での世界のモバイル動向を調査・分析し、2021年から2026年までのトレンドを予測している。5G加入契約数は2020年末に2億2000万となり、2026年には35億に達する見込みだ。これは、全モバイル加入契約の約40%に当たるという。


世界のモバイル加入数の推移と予測(方式別)

世界的に見ればLTE加入数もまだ伸び続けており、エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏によれば「LTE加入のピークは2021年で48億」。徐々に5Gへの移行が進み、2026年時点ではLTEが39億となり、5Gとほぼ均衡すると予測している。なお、4G LTEの立ち上がり期と比べると、「5Gのほうが立ち上がりが速い」(藤岡氏)。

地域別に見ると、2020年時点で最も5G加入者の割合が多いのが北東アジアだ。全モバイル加入契約のうち9%が5Gであり、2026年にはこれが66%まで増えると予測している。欧州も同程度の68%まで5Gの割合が増えるという。


地域別のモバイル加入契約数【クリックして拡大】

2026年時点で最も5Gの割合が大きくなると予測されているのが北米だ。2020年時点で4%に過ぎないが、今後5年で急成長し、2026年には80%が5Gになる見込みという。

コロナ禍で急増する「5G FWA」
最近のトレンドとして藤岡氏が特に指摘したのが、FWA(固定無線アクセス)の急増だ。光ファイバーやADSL等の代わりに、4G/5Gをアクセス網として使うサービスである。米ベライゾンが2018年に5Gを使ったFWAサービスを商用化。日本でもソフトバンクが4Gで「SoftBank Air」を提供している。


モビリティレポートについて解説する
エリクソン・ジャパン CTOの藤岡雅宣氏

モビリティレポートの調査によれば、ここ1年でFWAサービスを提供する通信事業者の数が急増している。2019年12月時点で103だった事業者数が、2020年10月時点で200と倍増。「5Gでビットレートが上がったことと、コロナ(による巣篭もり)で需要が高まったことが影響している」(同氏)。


FWA接続数とトラフィックの予測

地域別に見ると、西欧では93%の通信事業者がFWAサービスを提供。一方、光サービスが普及しているアジア太平洋地域は48%と伸びが少ない。ただし、中欧、中南米・北米も大幅に増えており、世界的なトレンドとなっている。

現時点では4GによるFWAサービスがほとんどだが、今後は5G FWAへの移行が進む。2026年にはモバイルデータトラフィックの25%がFWAになるとエリクソンは予測している。

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