コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を提供するライムライト・ネットワークス・ジャパンは、同社のCDNサービスがNTTドコモに導入されたと発表した。スマートフォンのファームウェア更新にまつわる配信基盤として利用される。
ドコモはこれまで、自社構築したFOTA(Firmware Over-The-Air)サーバを用いて、ファームウェアの更新サービスを提供してきた。しかし、スマホ利用者の増加に加え、Android OSの機能追加やセキュリティ強化などの目的から、ファイルサイズは肥大化し配信頻度は増える傾向にあり、より効率的な配信基盤が求められていたという。
そうしたなか、ライムライトによれば、スマートフォンのファームウェア更新としては初のCDNサービスの利用をドコモは検討。CDNサービスの選定にあたり、ドコモは以下の要件を提示した。
・無料/有料通信のトラフィックを区別できる
・厳しいセキュリティ基準を満たせる(HTTPSでのファイル配信など)
・現状のサービスレベルを維持する(Wi-FiからLTE/3G網へ利用者が移動してもファイルダウンロードを継続可能であるなど)
ドコモが同社のCDNサービスを選択したポイントは、「集中型アーキテクチャ」にあるとライムライトは説明する。分散型のCDNサービスとは異なり、大規模配信拠点となるアクセスポイントで集中管理するアーキテクチャであれば、以下の点が実現できるためという。
・利用者のデバイスがアクセスするIPアドレスを固定&最小化できる
・無料通信を実現する仮想IPの設定が可能
・ユーザー認証やセキュアな通信が可能
ドコモは2017年2月から、ライムライトのCDNサービスの利用を開始しており、それ以来、高品質かつ安定した更新ファイルの配信を実現しているとのこと。
ドコモの担当者は、「高いキャッシュヒット率が実現されており、サービスの開始以後、非常に高いパフォーマンスを維持している」「将来的に更新ファイルのサイズが1.5~2倍に増えたとしても、ボトルネックになる要素がないとの事前確認まで行えている。今後の利用者やファイル容量増加にも柔軟に対応可能」とコメントしている。