企業が力を入れるべき“デジタルトランスフォーメーション”とは――IDC JapanのIT市場予測

IDC Japanによれば、2016~18年のIT市場では「デジタルトランスフォーメーション」が重要になるという。それに向けて企業は、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術、モビリティの4つをコアにした「第3のプラットフォーム」への移行も進めなければならない。

IDC Japanは「IDC FutureScape 世界と国内のIT市場 2016年 Predictions:デジタルトランスフォーメーションの伸展を牽引せよ」の発行にあわせて、12月9日に記者発表会を開催した。説明のため登壇したのは、同社の調査部門を統括するリサーチバイスプレジデントの中村智明氏だ。

デジタルトランスフォーメーションと第3のプラットフォーム冒頭で中村氏は、「今年のテーマは、デジタルトランスフォーメーション(DX)」と述べた。これからはITベンダーもITユーザーもDXを意識しながらビジネスを推し進め、DXの規模を拡大していく必要があるという。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

DXとは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱していた概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」。

この概念をIDCは次のように解釈している。「DXとは、企業が『第3のプラットフォーム』技術を活用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」。企業がこれからのビジネスで勝ち残っていくためには、新しい製品、サービス、パートナーシップ、ビジネスモデルなどを創造し、新たな価値を創出していく必要があるという。

DXを実現するための第3のプラットフォーム

それらの新しいものを創造する基盤となるのは、第3のプラットフォームだ。これはIDCが2007年から提唱してきたもので、「クラウド」「ビッグデータ/アナリティクス」「ソーシャル技術」「モビリティ」で構成される。今後の企業のITは、クライアントサーバーをベースにした従来型の第2のプラットフォームではなく、第3のプラットフォーム上で実現していくべきであり、またその規模は実際に拡大していくと見ている。

第3のプラットフォームをコアとして、さらにその上にイノベーションを後押しするIoT、AIや機械学習などの認知システム、ロボティクス、AR(Augmented Reality、拡張現実)/VR(Virtual Reality、仮想現実)、3Dプリンティングなど、「イノベーションアクセラレーター」の技術がくる。

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