NTTドコモは2013年11月13日、LTE-Advanced向けの無線伝送技術「Smart Vertical MIMO」を新開発、その屋外実験で1.2Gbpsを超える伝送に成功したと発表した。
Smart Vertical MIMOは、アンテナ1本でアンテナ4本相当のMIMO伝送を実現できる技術だという。1本のアンテナを上下2つのグループに分割し、さらに偏波技術も用いて1本で4本相当の伝送速度を実現する。偏波技術とは、垂直及び水平あるいは±45°方向で直行する偏波を用いてアンテナ数の2本相当の送受信を実現する既存のアンテナ技術だという。
ドコモによれば、Smart Vertical MIMOは、特に都市部で有効な技術である。アンテナ数を増加させるには設置場所の確保が課題となるが、Smart Vertical MIMOを活用するとその必要がなくなる。
Smart Vertical MIMOの屋外伝送実験は、今年7月に神奈川県横須賀市の郊外環境、今年11月に同・相模原市の市街地環境で行われた。周波数は、3.9GHz帯の100MHz幅。走行する2台の測定車と基地局の1本のアンテナの間で、4ストリーム・2ユーザのマルチユーザMIMOによる通信を行い、合計1254.4Mbpsの伝送速度を達成した。1本の基地局アンテナで1.2Gbpsを超える屋外での走行伝送実験に成功したのは、今回が世界初だという。
「Smart Vertical MIMO」の概要 |