青学が4000台の無線LANを刷新・拡大 IOWNや量子技術で教育DX

青山学院大学が、約4000台の無線LANアクセスポイント(AP)を整備し、“いつでもどこでもつながる”キャンパスの実現を目指している。将来的には、IOWNや量子コンピューターなどの活用も視野に入れる。

2024~2026年度にかけて、計1800台の既存アクセスポイント(AP)を最新機種へリプレースする青山学院大学

2024~2026年度にかけて、計1800台の既存アクセスポイント(AP)を最新機種へリプレースする青山学院大学

首都圏の難関私立大学群「MARCH」の一角を担う青山学院大学(以下、青学大)。2026年度の志願者数は5万人を超え、今年1月に開催された箱根駅伝では3年連続9度目の総合優勝を果たした。

華やかな成果が注目される同学だが、学生や教職員の研究活動を支える通信インフラの高度化にも力を注ぐ。その取り組みの1つが、「基幹ネットワーク系システム更改プロジェクト」だ。このプロジェクトの一環として、IT商社・理経の支援のもと、青山・相模原キャンパスにおいて大規模な無線LANシステムの構築を進めている。

具体的には、2024~2026年度にかけて、両キャンパスに設置されている計1800台の既存アクセスポイント(AP)を最新機種へリプレースする。2027年度以降は、これまでAPを設置していなかった研究室などにも対象を広げ、最終的には約4000台規模まで拡張する計画だ。理経 システムソリューション部 技術支援グループ 担当グループ長の渡邊将之氏によれば、「昨年3月時点で計300台のAPをリプレースした。今年度末には800台、夏頃には1000台を超える見込み」だ。

無線LAN刷新の背景には、BYOD(Bring Your Own Device、私用端末の業務利用)を前提とした授業が少なからず実施されている現状がある。同プロジェクトを担当する青学大 情報メディアセンター 教授の内野文貴氏は、「学生が自身のPCなどを持ち込んで授業を受けるケースが増えている。そんな中、『インターネットがつながりにくい』という声が出てきた。安定した通信環境を整えるには、APを増設する必要があると考えた」と語る。

仏アルカテルのAPに統一

(左から)理経 システムソリューション部 技術支援グループ 担当グループ長 渡邊将之氏、同社 同部 東日本営業グループ 小林真大氏、青山学院大学 情報メディアセンター 准教授 丸山広氏、同センター 教授 内野文貴氏

(左から)理経 システムソリューション部 技術支援グループ 担当グループ長 渡邊将之氏、同社 同部 東日本営業グループ 小林真大氏、青山学院大学 情報メディアセンター 准教授 丸山広氏、同センター 教授 内野文貴氏

青学大は、両キャンパスに設置する計4000台のAPを、仏アルカテル・ルーセント・エンタープライズ社(以下、アルカテル)製に統一する。内野氏によれば、「一通りのベンダーから提案があった」が、なかでも使い勝手の良さや各種機能を柔軟に拡張できる点、コスト面での優位性などが採用の決め手になったという。また、理経が多くの教育機関で無線LAN構築を支援してきた実績も評価された。理経 同部 東日本営業グループの小林真大氏は、「武庫川女子大学をはじめ、複数の大学で大規模な無線LANの整備に携わってきた」と述べる。なお、プロジェクト開始当初、アルカテル製APの最新機種はWi-Fi 6対応だったため、2025年度に導入したAPもすべてWi-Fi 6とした。今後はWi-Fi 6E/7対応APの導入も検討していくとのことだ。

アルカテル・ルー セント・エンター プライズ製のアク セスポイント

アルカテル・ルーセント・エンタープライズ製のアクセスポイント

使い勝手の良さについては、同様の機能を備えた他社製APも存在するが、多数のAPを一元的に管理・運用可能なダッシュボードに加え、学内関係者以外のゲストが無線LANを利用する際の手続きを簡素化できる点を評価したと情報メディアセンター准教授の丸山広氏は話す。

青学大ではこれまで、学会などのイベントを開催する際には、対象教室に設置された各APにゲスト用SSIDを有効化し、イベント終了後に無効化するという運用を行っていた。しかしこの方法では、イベントのたびにAPの設定変更が発生し、ユーザーによっては通信が一時的に停止してしまうこともあったという。

今回導入した仕組みでは、ゲスト用SSIDを常時有効にし、そのうえで参加者がSSIDに接続した後、ポータル画面上から自身の情報を登録・認証することでWi-Fiを利用できるようにした。これにより、「SSIDの切り替え作業が不要になり、設定変更に起因する無線の瞬断も解消された。運用側は『登録方法を案内するだけ』で済むようになった」(丸山氏)

機能拡張に関しては、学生がキャンパスWi-Fiに接続した際に、Wi-Fiビーコンを活用してプッシュ通知を行う仕組みの構築を視野に入れる。青学大では、今年4月から学習コンテンツの配信・管理を担う「ラーニングマネジメントシステム(LMS)」の刷新を予定している。将来的にはログイン方法や画面構成の変更点などを学生へ周知する手段として活用していきたいという。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。