橋梁やトンネル、上下水道など、高度経済成長期に整備された社会インフラが老朽化し、その点検・メンテナンスが社会問題化している。担い手不足という深刻な課題を、ICT活用やデジタル化によって解決する取り組みが進んでいる。
その1つが、ドローンを活用したインフラ点検だ。橋梁や鉄塔といった高所作業を伴うインフラ点検を、ドローンの空撮画像によって実施することで、従来の目視点検と同等の点検精度を実現しつつ作業を効率化する。落下による怪我、夏場の熱中症といったリスクを回避できる利点もある。
2019年設立のスタートアップながら、この分野で実績を積み重ねているのがNTT西日本グループのジャパン・インフラ・ウェイマーク(JMW)だ。東京電力パワーグリッドや北陸電力、大阪ガス、九州電力など多数のインフラ事業者を株主に持ち、ドローンと画像解析AI等を駆使した各種の点検/支援サービスを展開している。

ジャパン・インフラ・ウェイマーク 社長室 戦略担当 担当部長の北宅洋氏
中でも実績豊富なのが橋梁点検サービスだ。NTT西日本が2026年1月14日に実施した記者説明会に登壇したJIW社長室 戦略担当 担当部長の北宅洋氏によれば、受託件数は「平均して年間300件」。全国47都道府県で、累計1166橋の点検実績があるという。
ドローンにも橋梁にも詳しい専門家が点検
JIWの点検サービスの強みとして北宅氏は次の2つを挙げた。
1つは、ドローン機体。米国Skydio社と2020年に日本国内での独占的パートナーシップ契約を締結し、「日本の橋梁点検に特化した仕様の『J2』という機体を共同開発した」。小型の機体に全方向衝突回避センサーを搭載しており、狭隘部への侵入や真上撮影が可能といった特徴を持つ。なお、J2は通称であり、正式名称は「Skydio R2 for Japanese Inspection」だ。

橋梁点検サービスで使用するドローン
もう1つは、このJ2を用いて点検業務を行う人材である。「ドローンの専門家というだけでなく、橋梁の専門家が現場に行って、ドローンを飛ばして作業をしている。ドローンにも橋梁にも詳しい者が点検することで、インフラ事業者からかなり好評を得ている」(同氏)
空撮が得意なドローンパイロットではなく、「橋梁点検の現場で行う段取りなども理解した」技術者が対応することで、他社と差別化したサービスを提供しているという。












