ソフトバンクは2025年8月4日に記者説明会を開催し、6月26~29日に開催されたゴルフトーナメント「アース・モンダミンカップ2025」のライブ映像配信において、AIを活用して選手名を自動識別する実証実験に成功したと発表した。
ソフトバンク サービス企画本部 サービス企画統括部 プロダクト開発部 部長 大塚哲治氏
アース・モンダミンカップ2025では、VIP観戦席「ダイヤモンドボックス」が設置されている。各席には専用タブレットが用意されており、ゴルフ場に配置された20台のカメラ位置が画面上に表示される。ユーザーは見たいカメラのアイコンをタップすることで、好みの映像アングルを視聴することができる。
そして今回、こうしたマルチアングル配信の提供に加え、特定した選手名をタブレット上に表示できるか、実証を行った。
ただし、「人力で選手名推定を行おうとすると、1画面に付き1人のスタッフを配備しなければならない」とソフトバンク サービス企画本部 サービス企画統括部 プロダクト開発部 部長の大塚哲治氏。つまり、VIP席が20席あれば20名のスタッフが必要で、さらに交代要員(20名)と管理者(5名)も加えると、約45名もの人員が必要になる計算だ。
人力での選手名推定には、人員と場所の確保が必要
また、AIを活用するにしても、サングラスや帽子、後ろ向きの姿勢などで顔の判定が難しいうえ、プロゴルファーは日ごとに服装が変わるため、事前に映像データを収集しても、選手名の識別精度が低下するといった技術的課題もあったという。
AIによる選手名推定の技術的課題
そこでソフトバンクは、「自動学習」と「手動学習」を組み合わせることで、リアルタイムに選手名を推定する仕組みを構築した。