「シスコがなぜ、このタイミングでネットワーキング製品を刷新したのか。それは、AI時代においてネットワーキングとそれに伴うセキュリティが非常に重要だからだ」
シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏は2025年6月27日に開催した記者説明会の冒頭、そう切り出した。
シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏
この説明会は、10日ほど前に閉幕した米シスコの年次イベント「Cisco Live 2025 San Diego」(以下、Cisco Live)で発表した製品/ソリューション群を日本国内向けに披露するもの。濱田社長によれば、そのモデル数は約30にも及ぶ。製品型番に至っては数え切れないほどで、特に中核製品であるネットワークの領域で「過去にないほどの刷新を行った」。
その理由は、冒頭のコメントの通り、AI時代のニーズに対応するためだ。
生成AIの登場と普及によってトラフィック量は、それ以前の約3倍に増加すると見込まれており、特に、AIのトレーニングやチューニング、高度な推論処理を行うためにアップリンクの帯域需要が増している。同時にネットワークセキュリティの重要性も高まるばかりだ。より強固な防御体制が必要になる一方、それを簡単に運用できるようにしなければならない。「いかにセキュアにするかも含めて、ネットワークの見直しが始まっている」(濱田氏)
ネットワーク領域における新ラインナップ
そうした現状を踏まえて「Cisco Live」では、スイッチ、ルーター、ゲートウェイ、Wi-Fi、そして産業用ネットワーク機器と、ほぼすべてのカテゴリーで新製品を発表。さらに、ネットワーク運用にAIを活用する新ソリューションの開発状況や今後の展望なども話された。本稿ではそのうち、企業のLAN/WANに関連する新製品と機能についてレポートする。