アカマイテクノロジーズは2025年6月20日、メディアブリーフィングを開催し、クラウドプラットフォームのアップデートとパートナー連携の最新動向について説明した。
大企業向けのKubernetes基盤を提供開始 AIは推論を強化
Akamai Technologies Field CTOのJay Jenkins氏
Akamaiはこれまで、開発者向けにKubernetes基盤「Linode Kubernetes Engine(LKE)」を提供してきた。今回これに加え、大企業向けに新たに「LKE Enterprise」の展開を開始。専用のコントロールプレーンやファイアウォール、VPC(仮想プライベートクラウド)、IAM(アイデンティティ管理)統合など、パブリッククラウドに匹敵する機能を備え、最大500ノード規模に対応する。Akamai Technologies Field CTOのJay Jenkins氏は「構成済みのアプリケーションカタログを用いれば、従来数カ月かかっていたデプロイが20分で完了する」と述べた。
「LKE Enterprise」の機能群
こうしたインフラの強化は、生成AIなどの高度なワークロードへの対応も視野に入れたものだ。アカマイは、AIアプリケーションをエッジで実装・運用するためのエンドツーエンドのプラットフォームを提供しており、なかでも推論(Inference)に注力している。
画像生成モデル「Stable Diffusion」を用いた検証では、従来比で2.5倍の低遅延、3倍のスループット、86%のコスト削減を実現。また、車載音声アシスタントでは、現行手法と比較して推論が30%高速化し、かつハイパースケーラーよりも低コストで実行できたという。