マグナ・ワイヤレスなど、5Gを利用した眼科疾患遠隔スクリーニングの実証実験

OUIは2024年11月27日、東京都が実施する5G技術活用型開発等促進事業の支援を受け、KDDIおよびKDDIエンジニアリングの協力のもと、マグナ・ワイヤレスと共同で5G通信を活用した4K映像による眼科疾患遠隔スクリーニングの実証実験を行い、その有効性を確認したと発表した。

実証実験の様子

現在、世界の失明人口は4300万人であり、30年後の2050年には1億2000万人に増加すると言われている。しかし、これらの患者の半分以上は、眼科医療へのアクセスがないことが原因で、予防可能または治療可能な病気によって失明している

OUIは、離島など眼科医が不在の地域においても、いつでも眼科疾患のスクリーニングができる環境を構築するため、自社で開発を行ったSmart Eye Camera(以下、SEC)を活用し、5G環境下での眼科疾患遠隔スクリーニングの実証実験を実施した。近い将来、本実証をもとにサービス化を実現し、いつでもどこでも眼科疾患スクリーニングを可能にする社会の実現を目指す。

なお、本実証実験は、KDDIの5Gを利用して実施された。

実証実験では、患者の眼の前眼部と眼底を動画撮影し、遠隔のPCで眼科医がスクリーニングを行った。SECと遠隔PCは5GとLTEの2通りで比較し、動画の品質は4KとHDの2種類で検証した。結果として、前眼部に関しては4Kの映像が理想的だが、HDでもほぼスクリーニング可能なこと、また眼底については、細部の観察が必要な疾患が多いため4Kであれば満足のいく映像が得られることを確認した。さらに、5Gでは4K動画をリアルタイムで転送することは可能だが、LTEの場合は映像の品質を下げる必要があったという。

今後もOUIとマグナ・ワイヤレスは、本実証実験の結果をもとに技術的な課題を洗い出し、今後の研究開発に向けた各種データを収集することで、眼科疾患の遠隔スクリーニングの実用化に向けて貢献するとしている。

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