IIJと錢高組、LoRaWANを活用した建設現場の環境データ収集・分析システムの実証実験を実施

インターネットイニシアティブ(IIJ)と錢高組は2024年11月6日、錢高組が建設中の物流施設において、LoRaWANを用いてセンシングおよびモニタリング環境を構築する実証実験を実施したと発表した。

建設会社では、高所作業車をレンタル会社から借用するのが一般的であり、その借用台数は現場責任者の経験値に基づいて決められるが、工事の状況によっては高所作業車の過不足が発生し、作業進捗のコントロールやレンタルコストの最適化のためには稼働状況の正確な管理が不可欠だ。

一方、現場の規模によっては数百台が同時に稼働することがあり、アナログ管理では限界があるのに加え、一般的にIoTのセンサー通信で利用されることの多いBluetooth方式では、無線基地局あたりのカバーエリアが狭く基地局台数がかさむため、導入コストや設置作業の負担が増加するという課題があった。

そこで両社は、1台の無線基地局で広範囲をカバーできるLoRaWANを使った「IIJ LoRaWANソリューション」を利用し、各フロアに2台ずつ無線基地局を設置することで、現場環境データを収集するネットワークを構築した。

実証イメージ

実証イメージ

また、建設工事が進み、屋根や壁面、扉が完成するなど現場環境が変化しても、基地局の設置位置を変更することなく現場の各所に設置したセンサーとの通信を確立でき、建設現場においてもLoRaWANを活用することで、効率的なセンシングが可能な無線ネットワークが構築できることを実証したという。

さらに、無線基地局とデータ分析を行うクラウドとの間は「IIJ モバイルサービス/タイプI」によるLTE回線で接続し、両社で様々なセンシング・モニタリングデータの可視化および分析を行った。

結果、LoRaWANを活用することで、広大な建設現場においても少ない無線基地局で、高所作業車の稼働状況および位置情報の把握、熱中症対策や作業進捗データなどの把握ができ、このような現場環境データの収集・分析により、建設現場の生産性向上が可能であることを確認できたとしている。

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