NTT、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、スカパーJSATは2023年11月28日、Amazon.comが提供する低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「Project Kuiper(プロジェクトカイパー)」(以下、Kuiper)との戦略的協業に合意したと発表した。
今回の協業の一環として、NTTとスカパーJSATはKuiperを日本の企業や政府機関・自治体に対して提供していく。また、NTTグループはKuiperを自社およびグループ会社においても活用する。各社は、Kuiperを活かして、レジリエンスと冗長性を兼ね備えた通信ネットワークを構築するための選択肢を顧客に提供する。
一例として、NTTドコモは、Kuiperを利用することで、山間部や島しょ部などを含めた、これまでサービス提供が難しかった地域で自社のコアネットワークと接続し、提供エリアのさらなる拡大が可能となる。
また、企業や政府機関・自治体はKuiperを活用することで、これまでは通信環境の確保が難しかったエリアにおいて、一次産業におけるIoT活用、建設機械の遠隔操作等の高度なソリュ-ションの導入が可能だ。加えて、Kuiperを利用してAWSのクラウドサービスにアクセスし、AIや機械学習などの最先端のテクノロジーを利用できるようになる。
さらに、NTTとスカパーJSAT、Kuiperは、地球と宇宙の間のシームレスな通信サービスに関する幅広い協業を模索し、日本のビジネスイノベーションを支援する。各社の研究開発や技術力、サービスやアセットを活用し、顧客の新たなサービス創出を支援することで、ヘルスケア、金融サービス、エンターテインメントなど多様な業界のさらなる発展を目指すとしている。
Kuiperは先頃、試作衛星のテストミッションにおいて100%の成功率を達成し、衛星とネットワークを構成する主要技術が有効であることを検証した。2024年下半期より、一部の顧客やパートナーを対象にベータテスト版サービスの提供を開始する予定。NTT、スカパーJSATは今回の協業の一環として、この試験に参加する予定だ。