石川県能美市は2023年10月2日、シャープ、三菱電機、シャープのグループ会社であるAIoTクラウドの3者の協力の下、市内在住の高齢者を対象にした「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月より着手し、2024年にサービス開始を目指すと発表した。
「IoT高齢者見守りシステムサービス」のイメージ
能美市は石川県南部に位置する人口約5万人の市。東西の広範囲にわたる市域に市民が居住する環境のため、高齢者や要介護者の孤立リスクへの対策が課題となっているという。
今回の取り組みでは、能美市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」、およびエコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用する。シャープによると、複数メーカーのIoT家電を対象とした高齢者見守りシステムの構築は日本で初めてとなるという。
同サービスでは、見守り対象者宅に、室温や湿度などを測定する複数のセンサーを搭載したIoT家電を設置し、機器の使用状況や室内環境などのデータを自動で取得する。そのデータを解析し、推定した宅内状態を関係機関や支援者が把握することで、早期の段階で見守り対象者の生活状況の変化に気付けるという。室内温度環境による体調不良などの恐れがある場合に発見が遅れるリスクを低減することも可能となるとしている。
見守りの対象となるのは市在住の高齢者約100名。2023年10月2日から2024年3月31日にかけてサービスを運用する予定。
4者の役割分担イメージ
2024年度以降も同サービスは能美市の継続事業として展開を予定しており、サービス対象のIoT家電メーカーの拡大や災害対策への応用などを見込んでいる。