「“稼げる5G”はMECセキュリティから」フォーティネット シュピレラ氏

5Gインフラ整備に莫大な投資を続けるモバイル事業者。投資回収には産業用途の開拓が不可欠だ。その基盤となるMECに、産業界の要求を満たすセキュリティ強度を備えてこそ「稼げる5G」が見えてくるという。

フォーティネット 4G/5Gソリューションマーケティングダイレクターのローネン・シュピレラ(Ronen Shpirer)氏。フランスのソフィア・アンティポリスにあるEMEA(欧州、中近東、アフリカ)本部を拠点に活動している

フォーティネット 4G/5Gソリューションマーケティングダイレクターのローネン・シュピレラ(Ronen Shpirer)氏。
フランスのソフィア・アンティポリスにあるEMEA(欧州、中近東、アフリカ)本部を拠点に活動している

――モバイル通信事業者(MNO)への提案として、フォーティネットが注力している点は何ですか。

シュピレラ 5Gの収益化です。欧州会計監査院は、EU全加盟国における5Gの導入コストを4000~6000億ユーロと試算しました。この莫大な投資に見合う収益源はまだありません。

加入者は4Gから5Gに替えるインセンティブを感じておらず、もし替えるとしても、競争が激しいためMNOは高い料金を取れません。これからのMNOの成長は、企業向けが牽引役となります。

――企業向けで最も期待される分野は。

シュピレラ 産業用メタバースです。各国のMNOもITベンダーも、ユーザー企業の経営者もそのポテンシャルを認識しています。

活用例を2つ紹介しましょう。

BMWは、5GとARを活用してバーチャルプロトタイピングを行っています。各国のエンジニアが仮想空間に集まり、自動車の設計やカスタマイズをすることで、新車開発の期間を大幅に短縮しています。

ブラジルでは非常に複雑な外科手術が行われました。現地の医師にスキルが不足していたため、バーチャルな手術室に英国のロンドンから医師が参加して補助することで子供の命を救いました。

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