IDC Japanは2022年7月4日、イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場について2021年のベンダーシェアを発表した。
2021年の国内ネットワーク機器市場は、様々な課題に直面した。GIGAスクール向けネットワーク構築案件の終息や、5Gサービス向けモバイルバックホール構築の一巡感に加えて、半導体の供給不足を中心とするサプライチェーンの問題が重くのしかかった。にも関わらず、企業向けと通信事業者向けを合わせた国内ネットワーク機器市場全体で、前年から2.1%のプラス成長を達成した。
ベンダー別に見ると、リーダーのシスコシステムズは、無線LANを中心にネットワーク機器全体で前年から1.7%売上を伸ばし、48.1%と半数近いシェアを維持。2位はNECで、3位のアライドテレシスはシスコ同様に無線LAN機器を中心に売上を伸ばし、全体で2.6%増を実現した。
また、アリスタネットワークスがメガクラウド事業者を中心とした事業者の国内データセンターへの旺盛な設備投資需要を獲得し、2020年の8位から4位へと躍進した。
国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア
IDC Japanのグループディレクターである草野 賢一氏は次のように提言した。「Future Enterprise(未来の企業)に向けて、企業の取り組みが進み続ける中で、企業ネットワークの適応と変革もこれ以上後れを取るわけにはいかない。そのためにも、2022年は変革に向けてベンダーと企業によるネットの在り方に関する検討を再度加速すべきである。製品が十分に供給されない状況を、議論と新たな技術を導入するための時間的猶予が得られたと前向きに捉え、自社のビジネス変革に適したネットワークアーキテクチャは何か十分に検討することを推奨する」