クラウド割合は欧米の半分以下──Zoom Phoneが番号拡大で日本のクラウドPBX市場に攻勢

リモートワークとオフィスワークが共存するハイブリッドワーク時代、場所を問わない電話システムのクラウドPBXに注目が集まっている。ZoomのクラウドPBX「Zoom Phone」では音質の高さや、耐障害性などを強みとしており、地域固定電話番号「0ABJ」が利用可能になったことで日本市場でのビジネス拡大を狙う。

ZVC Japanは2022年6月29日、「日本が世界に対して遅れているクラウド電話システムに Zoom が本格参入」と題したオンライン説明会を開催し、同社のクラウドPBXサービス「Zoom Phone」に、0ABJ番号(10桁の地域固定電話番号)を追加したと発表した。

クラウドPBXとは、基本は構内に設置されるPBX(電話交換機)をクラウド化し、インターネット回線などを介してPBX機能を提供するサービス。

「日本の歴史的な課題として、品質へのこだわりや高い現場力などからシステムを手作りしてしまい、パッケージ活用が遅れたほか、オンプレミスからの脱却も遅れていることがある。それが欧米とのギャップになり、日本企業が苦しんでいる」。ZVC Japan 代表取締役会長の下垣典弘氏はこう前置きしたうえで、日本と北米のクラウドPBX事情を次のように比較した。

「エンタープライズ領域において、PBXのクラウド化比率が北米は41%であるのに対して、日本では15%と半分以下のスピードだ」

PBXクラウド化の実情
PBXクラウド化の実情

 

また、ZVC Japan社長の佐賀文宣氏は、現在の電話によるコミュニケーションの課題として、会社や部門の代表電話にかかってきた電話をチームで取れない、企業として誰にどの程度の電話が来ているかを可視化できない、といった点を指摘。

「クラウドPBXであるZoom Phoneを利用すれば、スマホやPCからでも代表電話にかかってきた電話を取れ、逆に会社の電話番号を利用して発信もできて、すべての電話のトランザクションを可視化できる」とした。

また、Zoom Phoneは音声圧縮フォーマットの「Opus(オーパス)」の採用や、独自のパケット制御技術により、一般的なIP電話よりも高音質を実現できると説明した。

 

Zoom 顔写真 

ZVC Japan 代表取締役会長の下垣典弘氏(上中央)、ZVC Japan 社長 佐賀文宣氏(上右)
ZVC Japan Zoom Phone 日本市場展開担当の吉田馨一氏(下左)

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