総務省は2022年10月21日、「ローカル5G検討作業班」第19回会合を開催した。
昨年12月の審議再開以降、ローカル5Gのより柔軟な運用に向けた検討が行われており、今回の会合では報告書(案)が公表された。
報告書(案)の中で注目すべきポイントは、新たに「共同利用」という概念が導入されたことだ。
共同利用とは、1つの基地局と複数の利用者の自己土地を含む必要最小限のエリアを共同利用区域(仮称)として設定し、当該区域は自己土地相当とみなすというものだ。
ローカル5Gのユースケースは当初、自己土地が主体の「産業利用」と、まちづくりが主体の「地域利用」に大別して検討されていたが、自己土地に限定されない地域利用はまさに「広域利用」に相当する。広範囲に他者の土地まで含めて面的にエリアカバーを行うことを認めると、現状のローカル5Gの主体である自己土地利用が脅かされるため、広域利用を認めるかどうかという議論はこれまでも先送りにされてきた。そうした状況で生まれた共同利用という概念は、広域利用の“妥協案”という見方ができそうだ。