「ユースケースが次から次へと生まれている。私自身、非常に強力なプロダクトだと実感している」。説明会の冒頭、KDDI 取締役執行役員 パーソナル事業本部 副事業本部長 兼 事業創造本部長の松田浩路氏は、スペースXの衛星ブロードバンドサービス「Starlink」について、このように語った。
KDDIは2022年12月、Starlinkをau通信網のバックホール回線として利用する基地局の運用を開始するとともに、国内初となる認定Starlinkインテグレーターとして、法人向けに「Starlink Business」を提供開始した。
Starlink Businessについては、これまで企業や自治体から多くの商談や問い合わせがあり、その数は2000件を超える。
説明会では、Starlinkを活用した事例も紹介された。
大林組は、遠隔にある風力発電の建設現場にStarlinkを導入し、Webカメラを使って事務所との間で現場の状況をリアルタイムにやり取りしたり、クラウド上の資料をタブレットで閲覧するのに活用している。
飛島建設は、光ファイバーの敷設が困難な屋内の建設現場で、充電ポート付きドローンとともにStarlinkの衛星通信サービスを導入。遠隔からの点検・監視を実現している。
埼玉県秩父市では、土砂崩落により物流が寸断された地域住民の生活支援として、Starlinkを活用したドローン定期配送が行われており、「Starlinkはドローンとの相性が非常に良いプロダクト」とKDDI ソリューション事業本部 ビジネスデザイン本部 副本部長 兼 事業創造本部 副本部長の高木秀悟氏は述べた。
このほか、自治体でもStarlinkに対する関心は高く、例えば東京都は災害時でも使える通信手段としての有効性を検証中だ。
KDDIでは、Starlink Businessと組み合わせて、同社の法人向けソリューションも提供している。具体的には、「KDDI Wide Area Virtual Switch」「KDDI Wide Area Virtual Switch2」と社内ネットワークの接続に利用したり、「Zoom」や「Microsoft Teams」などのコミュニケーションツールに活用するといったユースケースがあるという。