日本では2019年にスタートしたシスコシステムズの「Country Digital Acceleration(CDA)」プログラム。これは、同社が戦略的重要国に対して中長期的なコミットメントと投資を行い、デジタル化を通じて社会課題の解決や新ビジネスの創出などへ貢献することを目的に実施しているものだ。
シスコは2024年6月14日、このCDAに関する記者説明会を行った。米Cisco Systems のシニアバイスプレジデントでグローバルイノベーションオフィサーを務めるガイ・ディードリック氏によれば、すでに「50カ国で1600超のプロジェクトを展開している」。2015年の設立以来、様々な国の政府と産業界、学術機関と協力してデジタル化を推進してきた。
例えば、教育の分野。サウジアラビアでは、教員不足により質の高い教育が受けられない地方に対して、首都のリヤドやジェッダ等の教師が遠隔で講義を行っている。
ウクライナでは、ロシア軍の攻撃によって学校や教室が破壊されたうえ避難所生活が続く子どもたちに教育の機会を提供するため、「避難所にカメラやCisco Merakiのネットワーク機器を設置して、キーフにいる講師の授業を受けられるようにしている」(ディードリック氏)。
医療/ヘルスケアの分野では、オスロ大学・医学部での取り組みが紹介された。
従来は、脳腫瘍の患者が診断を受けてから実際に治療を始めるまでに6週間もかかっていた。この期間を短くするため、シスコとパートナー企業が協力。AIを活用することで6日に短縮することができたという。
このほか、サステナビリティやスマートシティ、サイバーセキュリティといった様々な分野に、CDAプログラムの活動が広がっている。