AIチャットボットや自動音声応答(IVR)などの顧客接点ソリューションを提供するCPaaS(Communication Platform as a Service)大手のTwilioは2025年11月28日、「デジタル忍耐力調査」の結果を発表した。
「カスタマーサポートの自動化は避けられないが、効率ばかりを求めると顧客離反を招く」。Twilio Japan 代表執行役社長の久保敦氏は、AIを活用したカスタマーサポートに対して、エンドユーザーがどの程度「忍耐できるか」を把握することが今回の調査目的だと説明した。調査は日本、オーストラリア、香港、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポールの7つの国・地域の成人消費者7331人を対象に、2025年8~9月にオンラインで実施し日本では1000人が回答した。

全体傾向として、人間の担当者と比べるとAIへの「忍耐」は低下することが明らかになった。なかでも久保氏が強調したのは、日本の“忍耐の低さ”である。AIチャットボットに対して「忍耐強くいられる」と答えた日本の消費者は55%、自動音声については54%で、調査対象国・地域の中で最下位となった。配送トラブルや通信障害など、状況別でも日本は相対的に低いスコアが目立った。


一方で、日本の消費者の88%はサポートを受ける際に「忍耐強く、礼儀正しくあるべきだ」と感じており、実際に「オンラインサポートで忍耐を保てている」との自己評価も65%に達した。久保氏はこのギャップを「消費者は自分が思うほどには忍耐強くいられない」と表現した。
さらに、日本の消費者はAIによるカスタマーサポートへの満足度が24%と低く、これも調査国中最低の値だ。この理由について、「日本の消費者はよりよいサービスを求め、それに企業も対応してきた。そのため、AIに対する期待値も高くなっている」と久保氏は分析した。