NTTドコモビジネスが2025年12月に提供を開始した「docomo business SIGN」(以下、SIGN)は、セキュリティ機能を標準装備したIoT向けのネットワークサービスだ。プラットフォームサービス本部 5G&IoTサービス部 第一サービス部門 部門長の柏大氏によれば、数百案件の引き合いがあり、現在も多くの導入案件が進行中という。

このSIGNについて、ドコモビジネスは早くも大幅な機能アップデートを実施し、新メニューとともに3月25日から提供を始めた。IoTデバイスに新機能を簡単に追加できる「アプレットSIM」と、大容量通信を安価に提供する「Advanced」メニューである。
柏氏は(1)セキュリティの担保と(2)デバイス数が増えた際の管理の効率化、そして(3)映像IoTに代表される高トラフィックな用途をリーズナブルに実現すること、がIoT普及の壁になっていると指摘。今回のアップデートによってこれを打破したいと意気込みを語った。
アプレットSIMとは、SIM内に独自のアプリケーションを動かせる領域を設けたものだ。SIMはそもそも物理的・論理的に厳しく保護されたセキュリティハードウェアであり、これに、ドコモビジネスが独自に開発した2つのアプリを組み込んで提供する。

1つは「IoT SAFE」。アプレットSIMを挿入したデバイスを起動すると、自動的に鍵と証明書を自動生成する機能だ。第一サービス部門 担当部長の永作智史氏は、「お客様自身がこれまで用意してきたセキュリティ運用を、SIMに任せられる」ことをメリットに挙げた。
従来は、IoTデバイス1台ごとに外部で生成した鍵・証明書を組み込む必要があった(下図表の左)。IoT SAFEを導入すれば、その作業の大半を自動化できる。

永作氏はユースケースの例として、決済端末を挙げた。特殊なセキュリティモジュールを組み込む必要がなく、SIMを入れるだけで強固なデバイス認証が導入できるうえ、SIGNでもともと提供していた脅威検知機能などのネットワークセキュリティと組み合わせることで「多層的な防御が可能になる」。