F5、AIセキュリティ基盤を強化 利用意図の解析やモデル制御で保護・コスト管理

F5ネットワークスジャパンは2026年9月29日、メディアラウンドテーブルを開催した。

登壇した同社CTOの丸瀬明彦氏は、まず最近のAIの利用状況の課題をこう説明した。「AIエージェントの利用が広がるなかで、ユーザーだけでなく、ユーザーに依頼されたAIエージェントの可視性の確保が難しくなっている」

F5ネットワークスジャパン CTO 丸瀬明彦氏

F5ネットワークスジャパン CTO 丸瀬明彦氏

丸瀬氏は同時に、機密性確保も課題だと指摘。同社が実施した国内の製造業・金融業に対する調査では、6割がデータ漏えいの阻止と機密性の確保を最大の懸念事項に挙げたという。シャドーAIも広がっており、「ガバナンス、セキュリティ、コントロール性をどうするかが企業の悩み」と述べた。

6割の企業がAI利用に伴うデータ漏えいと機密性の確保に対して懸念

6割の企業がAI利用に伴うデータ漏えいと機密性の確保に対して懸念

モデルやMCPをAIで管理 機密情報の漏えい防ぐ

こうした課題に対応するため、F5はAIセキュリティプラットフォーム「F5 AI Security Platform」の機能を強化した。

その中心となるのが「F5 AI Gateway」の機能拡張だ。同社はロードバランサーやアプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)を主力製品としてきたが、買収などを通じて、ネットワークやWeb、APIの防御に、AIのプロンプトや応答の保護を重ねた多層防御を提供するための製品ポートフォリオを拡充してきた。

具体的には、F5 AI GatewayにモデルゲートウェイとMCPゲートウェイ、AIガードレールを統合した。モデルゲートウェイは、ユーザーの権限や予算などに応じて利用するAIモデルを制御。MCPゲートウェイは、AIエージェントがアクセスできるMCPサーバーやツールを管理する。AIガードレールは、プロンプトや応答を検査し、機密情報の漏えいや攻撃を防ぐ。

「F5 AI Gateway」の機能イメージ

「F5 AI Gateway」の機能イメージ

丸瀬氏は類似製品との差別化ポイントとして、AI Gatewayが「ネットワーク型のAIセキュリティ」であることを挙げた。エンドポイントの対策だけでは、クラウドやSaaS上のAIエージェントが別のサービスへアクセスする通信を十分に捉えられないため、「両方必要」と強調。社員向けのAIツールに加え、AIエージェントによるSaaS間の通信も保護すると説明した。

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