Fastlyは2011年創業のCDN(Contents Delivery Network)事業者であり、2015年に日本法人を設立した。国内ではサイバーエージェントやDeNA、日本経済新聞社、読売新聞オンライン、ZOZOなどが採用。同社のプラットフォームはグローバルで313Tbpsのネットワーク容量を備え、1日に1.4兆以上のリクエストを処理(2023年7月時点)しているという。
提供するソリューションはCDNに留まらない。カントリーマネージャーの今野芳弘氏は、Fastlyのエッジプラットフォームは大きく4つの機能/サービスを提供していると説明した。CDNやメディア配信、画像最適化といったネットワークサービス、WAF(Web Application Firewall)をはじめとするセキュリティサービス、サーバーレスコンピューティング、そしてオブザーバビリティ(可観測性)機能だ。「CDNを配信した後に、お客様がWeb上でどんな行動をしているかも監視でき、それを次のビジネスに役立てられる。これらがすべて統一プラットフォームで動いている」
そして、この4機能を「上手く使いこなしている」例として同氏が紹介したのが、日本経済新聞社だ。日経電子版でFastlyのプラットフォームを採用。頻繁に更新されるリアルタイム情報をキャッシュすることで、キャッシュヒット率は約90%を達成。古いコンテンツを表示させずに「最もフレッシュな情報を高速に配信」したうえで、購読者の行動ログを収集・利用しているという。
今野氏によれば、CDNによる配信のリアルタイム性こそがFastlyの大きな強みとなっている。同社のCDN利用者がオリジナルコンテンツを更新すると、「平均150ミリ秒で世界中のキャッシュを消し、最新情報に置き換えられる」ため、常に最新の情報を提供できるのだ。