「ミリ波」の広い帯域幅を活かした超高速通信は、5G/ローカル5Gシステムの目玉の1つだ。しかし、直進性が強く減衰しやすい電波伝搬特性による扱いにくさから、未だに普及は進んでいない。日本のみならず、ミリ波をいかに有効に活用するかは世界中の通信事業者にとって大きな課題だ。
このミリ波の普及推進を目的に活動しているのが、XGモバイル推進フォーラム(XGMF) ミリ波普及推進アドホックである。なお、XGMFは、Beyond5G推進コンソソーシアムと第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)の統合により2024年4月から活動を開始した。
XGMFがWTP 2024会場内で実施しているのが、「5G/ローカル5Gのミリ波普及推進プレゼンテーション」である(総務省との共催)。ミリ波の優れたポテンシャルを様々なエキスパートが紹介。XGMF自身がミリ波の国内外の展開状況や課題、技術、ソリューション等を紹介するほか、多彩な内容のプレゼンテーションが予定されている。
注目したいのが、JR東海やKDDIスマートドローンといった、5G/ローカル5Gを利用するユーザー側の取り組みを紹介するプレゼンテーションだ。
JR東海は「リニア中央新幹線と無線通信」と題して、超伝導リニアにて構築しているミリ波無線システムを紹介。KDDIスマートドローンは、ドローンによる点検・遠隔運行などの現状、ミリ波・Sub6の上空利用のユースケースについて説明する。
XGMFブースで行われる上記のプレゼンテーションに加えて、WTP 2024の最終日である5月31日には、基調講演会場にて「5G用ミリ波普及国際ワークショップ」も開催する(登壇者と講演タイトル、スケジュールの詳細はこちら)。
総務省 新世代移動通信システム推進室の増子喬紀室長や、クアルコム、エリクソン、ノキアらのキーマンが講演。さらに、ミリ波普及推進アドホック 主査の中村武宏氏(NTTドコモ)がモデレータを務めるパネルディスカッションも行われる。