――2014年からデータセンターネットワーク向けに“オープンネットワーキング”を推進してきましたが、現在の状況はどうですか。
シュルケ お客様はデジタル化をはじめとする様々なトランスフォーメーションを進めており、その1つにITのトランスフォーメーションがあります。ITインフラをモダナイズする、標準化する取り組みです。この動きを下支えするために、SDNとオープンネットワーキングの組み合わせが非常に重要だと考えています。
我々は現在、データセンターに加えて「データセンター・インターコネクト」「エンタープライズWAN」、そして「キャンパスLAN」の4つの領域でオープンネットワーキングを推進しています。
オープンソース活用を支援――データセンターではSDNとともに、オープンネットワーキングもかなり進んでいるようです。
シュルケ その通りです。日本でも、データセンター事業者はもちろん、一般的なエンタープライズや公共のお客様でも採用が増えてきました。
我々はこの領域で最も包括的なポートフォリオを持っていると自負しています。それを示したのが以下の図表です。左にいくほど「ネットワークをまとめて買いたい」というお客様に適しており、右側は「自分たちでネットワークを構築したい」というテクノロジーに長けた企業の志向に合います。
図表 進化するコンサンプションモデルに対応[画像をクリックで拡大]
お客様の約75%は、Dell EMCのスイッチとネットワークOS「OS10 Enterprise Edition」を組み合わせたモデルを使っています。右にいくほどハードとソフトの分離が進み、お客様のニーズに応じてパートナーのOSや、OS10 Open Edition、Open Switch、SONiC、quaggaといったオープンソースを組み合わせてベストソリューションを提供できます。
いずれのコンサンプションモデルもハードは共通であり、我々の大きな差別化要因であるサポートが利用できます。これにより、オープンソースを使いながらも高品質なサポートが得られます。例えば米ベライゾンは、5番目の分離モデルでコネクテッドカーサービス用のネットワークを構築しています。
――2番目のパートナーのOSを使うモデルのメリットは何ですか。
シュルケ OS10は汎用的なOSであり、これだけではすべてのニーズを満たせません。
一方、パートナーのOSにはそれぞれ得意分野があります。例えばMPLSを使いたいお客様は、その機能に長けたIPInfusionを、ファブリックの自動化がやりたいならBig Switchを、といった使い分けができます。