OKIは1月18日、住友商事、東急電鉄とともに、ローカル5Gを活用した「線路敷地内の安全性向上に関する実証実験」を実施していると発表した。2022年12月から2023年3月まで、東急電鉄東横線の菊名駅~妙蓮寺駅間の踏切や線路敷地内で実施する。
この実証実験は総務省の「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証(特殊な環境における実証事業)」に選定されたもの。鉄道用地にローカル5G環境を整備し、カメラとAIセンシング技術による踏切滞留監視と線路内侵入監視の2点を行い、事故の未然防止や異常発生時の早期対応への有効性を検証する。
踏切滞留検知は、OKIのAIエッジコンピューターと沿線に設置された低照度カメラを用いて、人や車などの滞留映像から自動検知することによって行う。運輸司令所および運転士にリアルタイムで通知するほか、映像も表示させる。
線路内侵入検知は、線路内に設置された複数の高精細4Kカメラで撮影された映像を、ローカル5Gを介して遠隔地にあるAI処理サーバーに伝送し、踏切や駅ホーム、境界柵からの線路内立入を検知する。こちらも踏切滞留検知と同様に、通知および映像の自動表示を行う。
このような取り組みによって線路敷地内の安全性を向上させることは、将来の鉄道自動運転の実現にもつながるという。
OKIは、かねてより踏切での人や車の滞留を検知するソリューションを開発してきた(参考:「イノベーションは全員参加型で」 OKI森社長が語るDX事業化の手応えと課題)。同実証実験に参加することで、検知の対象範囲を踏切から線路へと広げ、線路上の支障物確認のような新たな機能の追加を検討していくとしている。